#2 今ではない いつかへ
古今東西多くの人が、今ではないいつかに行けたらと夢想してきたのではないか。ここではないどこかへは、かなり自由に行けるようになった(今はコロナで行けないけれど)私たちだけど、まだ今ではないいつかへは行けない。だからこそ自由に夢想できる。
先日、とある人と過去に戻れるとしたら、違う選択をするかという話をした。私は即答で、人生もう一度巻き戻してやるとしても、同じ選択をしたと思うと言った。もちろん、もっと真っ直ぐで、悩みのない道もあるだろう。でも過去の全ての選択や出会い、起こったこと、体験、全てが今の自分や今を創っていて、それがすごく大事で幸せに感じるから。他の自分、他の人生は欲しくない。一方対話相手の彼は、今の自分の経験や智慧があったら、違う選択をしたと思う時点がいくつかあると言う。そもそも、経験や智慧を持ったまま時を巻き戻すのはチートじゃないかという意見は置いておいて、そうすると今とは別の自分にならない?と尋ねると、自分という存在やコアの部分は変わらないから。ただ、別の体験をしてみたいのだと。
なるほど、過去に戻って人生をやり直したいと言う場合、多くは何か後悔から来ている。今の自分ではない人生、違う生き方を望むのだと思っていて、だから現状が幸せであれば、やり直したいとは思わないと考えていた。でも、これまた私の思い込みだという事に気づいた。
私は今の人生、今の自分を変えたいとは全く思わないけれど、もし別の選択をしたら、そこからどんな出会いがあり、どんな風に進むのか。という好奇心が湧いた。
この会話も、何か一つでも過去の選択や行動が違っていたら生まれないものなのだけれど。
そして彼は言った。
きっとこんな会話をしてきた人が過去にも現在にも沢山いるんだろうね。その人たちとも僕らは繋がっているんだ。と
05/06/2021