友だち4人とごはんを食べた
西麻布にある創作フレンチレストラン「イチイ」に行ってきた。友人の友人がこの店でシェフとして働いており、コロナ禍につきお客が減っているというのでなるべく通うようにしている、興味があれば一緒にどうかというわけである。この辺りは外国人も多いから、まだまだ客足も戻っていないだろうな。
お店は六本木通り沿いのビル2階。照明は暗く落としてあり、入店時に両手をアルコール消毒された。居心地がよく何よりとてもおいしかった。料理の特徴は、シェフの故郷である山梨県の生産者から取り寄せた食材がふんだんに使われていること。野菜の味、におい、食感。柔らかい鹿肉。家では絶対に味わえないものを堪能させていただき、幸せである。
ランチコース 3800円
①上野原ハーブガーデンのブーケ
②カリフラワー 菊芋 海の幸
③2つのバターナッツ南瓜
④ヤングコーン 発酵芋 パンチェッタ
⑤八ヶ岳日本鹿 黒にんにく タイム
⑥桑の葉 トンカ豆 ショコラ
⑦野草茶
このメンバーは会社の同僚で、2016年のゴールデンウィークに小笠原諸島の父島に旅した。それ以来ときどき集まって、遊んだり飲みに行ったりを楽しんでいる。わたしにとって初めてのzoom飲み会もこのメンバーだった。
六本木までの電車内で、こんな記事を読む。
緊急事態宣言が解除され、明日からわたしの会社では「原則在宅勤務」が「希望者は在宅勤務可」となる。コロナ以前から、どちらかというと臨場性からくる暴力が痛いと感じるタイプだった。リモートにはまた違った暴力性が内在していると感じるが(明日も在宅なのに心が騒ついている)、それでも「臨場する他者」がいないことや、自分が誰かにとっての「臨場する他者」ではないという事実にほっとする。
上記の斎藤環さんの締めの一文を、「臨場がベスト」と考える人にはぜひ心に留めおいてほしい。
人の多様な感受性と認容性のありようを尊重し配慮する態度が要請されるべきである。
父島への旅では印象深い思い出がたくさんできた。中でもいちばんは5人揃って食べるごはんだったかもしれない。家族でもないのに一日三食を一週間ともにした経験は稀有である。今日のランチにface to faceの臨場性を期待していたわたしは、これをちょっと特別な出来事として記憶するだろう。