4月30日にまつわるいくつかの話
最近集中的に読んでいる作家の大佛次郎(おさらぎ・じろう)は1973年4月30日に亡くなった。
彼は歴史に取材した小説やエッセイを膨大に残している。そのうちの一冊に『義経の周囲』という本があり、そこに、源義経が自刃したのも4月30日と書かれていた。享年31歳とのことだった。
わたしの誕生日は1989年4月30日なのだが、こういう偶然はよくある。
自分の生年月日にこんなにこだわる人間もなかなかいない、滑稽だと思いつつ、平成から令和への改元の際(2019年)も、30歳という節目の日が平成ラストデーにあたるとか、いちいち意味付けしてしまう。意味はないのに。
話を変えて・・・。
わたしは高校生の時、日本史を選択した。1年次は世界史Bが必修で、日本史をやるひとは2年からなので古代と近代以降を同時並行ですすめるカリキュラムだったような気がする、記憶はあいまいだが、とにかく日本古代史という授業があった。
中学生までの歴史の授業で興味が湧いたのは、戦国時代と幕末だった。おそらく、勢力争いの図や、旧勢力を新勢力が乗り越えるさまを学ぶのが興味深かったのだと思う。
高校で新たに目覚めたのは古代史だった。古代史って本当におもしろくて、とくに法律的な部分に着目すると社会構造が理解できる。
「大宝律令」とか「墾田永年私財法」とか年号の暗記だけじゃなんのおもしろみもなくて、流れがつかめると一気に興味が湧く。
高校国語では古典を勉強する。それで知識が重層化するのもいい。文学の中身だけじゃなく、時代背景を知るのも好きだった。大人になってからは源氏物語にはまった。それから今はずっと積ん読していた平家物語を読み始めた。(河出書房新社の日本文学全集シリーズ)
祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす
驕れる者も久しからず ただ春の夜の夢の如し
たけき者もついには滅びぬ 偏に風の前の塵に同じ
ほんとコレなんだろうなって思うのだよね。
古川日出男さんの訳すごい楽しいです。
芭蕉もいいよね。月日は百代の過客にして、行かふ年もまた旅人なり。
今年の4月30日は久しぶりに遠出をします。