大学を卒業して9年
3月26日と言えば卒業式だ。日本武道館で毎年この日が卒業式。9年前の今日、私も袴姿であのあたりをウロウロしていた。
9年という年月は、とても長い。色々なことがあった。にもかかわらず、私という人間は9年前と何も変わっていないような気がするけど、どうなんだろうね。
私がいちばん変わったのは21歳の時だった。20歳のときに付き合い始めた一つ年上の男の子は、振り返ってみるとものすごくモラハラ気質だった。あの人といたときの私は「自分がいけないんだ」という呪いにかかっていたと今ではわかる。嫌われたくなくて、いつも泣いて謝っていた。私がついに振り切ったとき、あの人が泣くのを初めて見た。
そんなとき、私を好きになってくれる人が何人か現れた。一人は私が傷つけて終わった。もう一人は「彼氏がいようとおれは関係ない」と私の目の前に綱を垂らしてきた。私は他人を利用してでも自分を変えたかったんだと思う。だから他の人を見ようとして、その結果相手も私のことを引っ張り上げようとしてくれたんだと思う。
「彼氏がいようとおれは関係ない」という人と私は数年間を過ごした。私が大学を卒業した後もその人は大学院に残った。卒業式の前、武道館まで来てくれて、友だちとの写真を撮ってくれた。不思議とその人と私が一緒に写った写真はない。夜、飲み会に合流してくれて、先生とゼミ生と朝まで過ごした。3月27日の朝に聖橋で吸った空気を覚えている。
その人と過ごした数年間で私はさらに変わった。やっぱり9年前と今の自分は別人だ。
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