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演劇の編集

こないだの土曜日に、YouTubeでライブ配信されていた藤田貴大さんのトークショーを見た。
藤田さんとはいわずもがな劇作家の藤田さんである。

緊急事態宣言下でなければ上演されていたはずの「BEACH BOOTS CYCLE」 の公演が中止になったので、劇場と藤田さんをオンラインでつなぎ、1時間ほど話を聞こうという企画だった。

そのなかで、藤田さんの作品にはずっと音楽が流れていますが…という話題が提示され、それにたいする答えがとても興味深く、おもしろく、うれしかった。

藤田さんが北海道から上京し、好きなだけ演劇が見られる! とよろこんでいたら、とんでもなくつまらないというか退屈な作品の数々にぶちあたり、これはなぜこんなにつまらないのだろうと考えたと。そのとき、60〜70分くらいのCDアルバムを聴いてても眠くならないことに気づいたと。

アルバム1枚の練り上げられた構成が聴く者を飽きさせない。
自分が劇をつくるときにもその観点を取り入れているので、会場によってシーンを入れ替えたり、流す曲を変えることがあるという話がとてもおもしろいし説得力がすごかった。

わたしもCDアルバムははじめから通して聴くことが好きだ。
とりわけ好きな曲ができるというよりも、この流れでこの曲が来る、そしてこの次はあの曲、というように編集された1時間ほどの作品を鑑賞することが好きだ。

どんなに即興的な刺激的なコンテンツが台頭してきたとしても、わたしはていねいに編まれたものが好きだなと思う。

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