grapefruit project について

この度、ひとつのプロジェクトを始動させました。
grapefruit projectといいます。
(プロジェクト名のgrapefruitはオノヨーコさんの著書「grapefruit」からとりました。この意図については後ろに綴ります)

「女の子も男の子も誰もが自分にYESと言える世界」を作る。それがわたしのやりたいことです。目指すのは、みんなが自分を肯定できる社会。

平たく言うと「女の子を応援するプロジェクト」と表現した方がわかりやすいのかもしれません。具体的には、ジェンダー問題のこと、女性の身体のこと、妊娠出産や子育て、女性のキャリア形成、メンタルヘルスのこと、例えばそんなことについてラフに楽しく、でも熱量を持ってお話する。そんな場を作りたいと思います。
(トークイベントを軸に、色んな形での発信を考えています。私自身、音楽からは離れられない人間なので、いずれ音楽とも繋げて素敵なことを企画していきたいと思っています)

やはり今の社会では女性の方が圧倒的に弱者であると感じているので、わかりやすく女性のための活動が多くなってくると思います。
でも私が主語を「女の子」に限定したくないのは、女の子を救うことは男の子を救うことになると考えているからです。
女の子が生きづらいように、本当は男の子も生きづらいはず。不必要なジェンダーバイアスのために、両者が苦しんでいる歪な構造が出来上がってしまっていると思います。誰も得しないのに。
女の子について語るとき、男の子のことは切り離せません。逆も然り。女の子が生きやすい社会は男の子だって生きやすい社会になるはずです。敵じゃなく本来味方であるはずの両者がお互いに手を取り合って、良くしていきたい。だからこのプロジェクトは女性だけでなく、男性にも参加してもらうことを考えています。

また「女性」「男性」という言い方をせずに「女の子」「男の子」と表現しているのは、この先女性・男性になっていく未来あるGIRLS&BOYSこそ主役であってほしいと思っているからです。
次世代へいかに負のバトンを渡さずに済むか。そんなことに取り組みたいのです。

またわかりやすく「女の子」「男の子」と2つの性でお話ししていますが、そのどちらでもないと感じる人も、どんな人ももちろんすべての人が対象です。


さて、どんな思いから立ち上げに至ったのかについても少し書きます。
私自身のストーリーが背景にあるため、いくらでも語れるのですが、それは追々、良きタイミングでお話ししていきたいと思っています。私の話が誰かの気づきに繋がるなら、いくらでも曝け出します。

手短に。
とにかく私は昔から自分が嫌いで、自分を認めることができず、長らく苦しんできました。
その一つの要因が、自分の性別でした。
やはりそこにも音楽があって、自分が憧れるのはなぜか男性のロックスターばかり。あんな風になりたいのに私はなれない、と勝手に被害妄想をしていました。
女性であるせいで、性被害やとんでもないセクハラを受けたり、理不尽な扱い、惨めな思いもたくさん味わいました。(おそらくこれは女性ならほとんどの方が経験のあることだと思います)
ここには書けないようなことも色々ありました。
毎月のように襲ってくる生理痛やPMSも憎くて仕方なかった。
そんな何もかもが許せなくて、男の子になりたかったし羨ましかった。
なぜ自分は女なんだ、男に生まれればよかったのに、とずっと思っていました。(母に「なんで男に産んでくれなかったの!」と泣きじゃくりながらキレたこともあります。酷い娘です)

でもそんな葛藤と長らく向き合いつつも、大切な人と出会ったことや、考え方を変えてくれる作品や発信者、ついには心理学やインド哲学にも出会ったことで、自分を肯定することがいかに大事かに気づいたのです。
自分を愛せない限りは、本当の意味で他者を愛することはできない、ということもわかりました。
否定し続けた「(女性である)自分」を認めた瞬間から、何かが変わる感覚がありました。

長らく自分と向き合い続けた結果、YESが答えなんだ、と悟りました。

そんな折、乳がんになりました。
ずっと私自身が私の女性性を否定してきたからそのツケが回ってきたんだなと、妙にすんなり納得できました。
否定しなきゃ生きてこれなかった自分のこともYESにしてあげました。
その時にやっと全てのことが繋がって理解できた、という感じでした。 

そこから、決心がついたというか。
私にはやらなきゃいけないことがあるんだなと腑に落ちて、自分を救うためにも、冒頭に書いたような活動を自分のライフワークにしていきたいと思ったのです。


そして、grapefruitと名づけた理由についても。

愛と想像力とユーモア、そしてYES。
これは私が人生においてこれさえあれば大丈夫!と信じている4つです。

これらを象徴するようなワンワードをプロジェクトのタイトルにしたいなと考え始めたときから、グレープフルーツが自然と浮かんで頭から離れなくなりました。

前述した通り、プロジェクト名はオノヨーコさんの著書「grapefruit」からいただきました。

「この本を燃やしなさい。読みおえたら」という衝撃的な言葉から始まるこの本は、「想像しなさい」といった言葉やイラストによるインストラクションで、詩的にユーモラスに綴られたコンセプチュアルアートの作品です。
タイトルのグレープフルーツはハイブリッドの柑橘類であることから、多様性の象徴という意味合いもあるようです。多様性というワードもこのプロジェクトにぴったり!と考えました。

後に英語版も出版され、今や世界中で愛されている作品ですが、1964年にわずか500部の限定版として出版された当時の日本では全く理解されませんでした。
理解されずとも革新的であり続けた美しい日本人女性の象徴としても、また日本人女性であるがゆえに誹謗中傷も受けてきたであろう彼女の強さをとっても、女性を応援するこのプロジェクトに相応しいアイコンだと考えました。
本書に繰り返し登場する言葉は「想像」。ジョンレノンが名曲「Imagine」の歌詞やコンセプトは、この本から着想を得たと公言する一冊です。

因みに「この本を燃やしなさい。読みおえたら」の意図は、与えられたインストラクションではなく自分自身のインストラクションに従いなさい、ということのようです。
このプロジェクトを通して、様々なインストラクション(のようなもの)を提示できるかもしれないですが、最後には自分で自分の答えを見つけてもらう、というコンセプトにもぴったりだと思いました。

因みに、ジョンレノンが「Imagine」の後に書いた「Ming Games」いう曲のメッセージを私は支持しています。これこそ真理だと思っている曲です。

Love is the answer
And you know that, for sure
Love is the flower
You gotta let it, you gotta let it grow

愛こそが答え
きみは確かにそれを知っている
愛とは花
きみがそれを育てるんだ

Yes is the answer
And you know that for sure
Yes is surrender
You gotta let it, you gotta let it go

YESこそが答え
きみは確かにそれを知っている
YESとは明け渡すこと
君がそれを手放すんだ

(※私による意訳です)

ジョンのファンの方はご存知かと思いますが、ジョンとヨーコの出会いはロンドンのインディカギャラリーでのヨーコの個展。そこで見た「天井の絵 YES Painting」という作品に、ジョンは感銘を受けたといいます。ハシゴを登り、真っ白な天井を虫眼鏡で覗くと、小さな文字で書かれた“YES”という言葉がある、という作品。

全てを肯定する”YES”こそが答え。

誰もが自分にYESと言ってあげられるように。このプロジェクトで後押ししたいことです。

そんなわけで、grapefruitと冠しました。


色々と書きましたが、つまりは、

心も体も健康第一!
もっともっと自分にYESって言ってこー!
だってうちら天才かわいい最高やんー!

的なことです。

そんなギャルマインドでやっていく所存です。


最後に、余談ですが。
プロジェクト名やイベント名を考えている間、ふと世の中は名前だらけなことに気づきました。当たり前だけど。どこもかしこも名前だらけ。どんな人にもどんな物にも名前がある。
名づけるという作業は、その対象物への思いをめぐらし、時間をかけて一つを選ぶ、とても尊い作業だなと思いました。
ということは、どんな人も物も、愛のもとに存在しているってことじゃないか!と気づいた次第です。

改めて、このプロジェクトがどんな形に育っていけるかは未知数ですが、きっとあなたにも仲間入りしてもらえる日がくると嬉しいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?