デザイン x ビジネスアーキテクチャ模索中

最近、エンタープライズアーキテクチャチームでビジネスアーキテクトの補佐をしながら学ばせてもらっている。すごくハイレベル(細かいプロダクトの機能レベルの話はあんまりしない)で、今までやってきたようなエンドユーザリサーチみたいなのは今のところほぼない。組織内の各部署がそういうのを内部で理解して、彼らがまとめ翻訳したものを聞いて、ビジネスケーパビリティをマップしたりしている。現場から死ぬほど遠い。ちょっと寂しい。

過去に、UXデザイナー vs プロダクトマネージャ vs サービスデザイナーのキャリアパスの選択を迫られたような時期があったのだが、どれか一つを選ぶというより、デザイン思考とデザインの技術も使って、プロダクトマネジメントをする、サービスデザインをする、みたいな感じにマージしてきた。だから自己紹介をする時には、デザインのバックグラウンドでプロダクトマネジメントとか、サービスデザインとか、時にはビジネスアナリシスやってます、と言って、相手によってわかる言葉をピックアップして理解してもらう感じだった。

今回は、エンタープライズアーキテクチャチームである。正直言って、開発チームやサービスデザインチームから見ると、エンタープライズアーキテクチャのチームは一体何をやっているのかわからなかった。テクノロジーガバナンスとかなんとかいう名目で、このツール使っていいとかダメだとか決める人たち。あるいはサービスデザインやソリューションアーキテクチャの段階で、こういうやり方をしても良い、ダメだ、というのを、意見する人たち、みたいな感じの印象しかなかった。私の組織では、アーキテクチャボードというのがあって、どこかの誰かが新しいツールが欲しい、となるとそこにプレゼンしに行き、EAチームが、やるかやらないか、やるならどうやるか、買うのか作るのか、などを決める。

私が今回学ばせてもらっているのは、エンタープライズアーキテクチャの中でもビジネスアーキテクチャであり、もはやテクノロジーの話もユーザビリティの話もほぼしない。ビジネスアーキテクチャの中でも現段階では、ビジネスケーパビリティの話だけをしている。この組織が、何をやるのか、できるのか。

このチームに入ったばかりの時は、泥の海を泳いでいる気分だった。昨日まで自分はプロダクトマネジメントとかサービスデザインとか、自分の畑で、よく知ったメソッドやフレームワークに則って進めていた。ところが、EAチームでは別のフレームワーク。学びながらやるものの、自分がやっていることに何一つ自信が持てなくて、フラストレーションの溜まる日々だった。が、すこーしづつ、わかってきた。

とりあえず新しいことを学び始めたところなので、もうしばらく続けて少なくともちゃんと「できる」と言える状態には持って行きたいと思う。

現在、デザイン思考やデザイン的スキル、つまり自分の強みを使っているか? というと、自信を持ってイエスとはいえない。もともとHCDから来ているので、ユーザと話さない時点で違和感がある。しかし、ビジネスとはずっと話している。

エンタープライズアーキテクチャはエンドユーザの視点が欠けているな、と思う。最初の理解では、エンタープライズアーキテクチャはあえてハイレベルにとどまっている、という理解だった。オンラインのコースでもそう言っていた。でも、実際にどんな環境でどう使われるかわかっていない、エンドユーザを理解していなくて作られたターゲットステートアーキテクチャは片手落ちじゃないかな? と思う。まあ自分がユーザに寄り添う側から来たから余計そう思うのかもしれない。

私の強みは、デザインのバックグラウンドを他のスキルとブレンドすることだと思っているので、今後、エンタープライズアーキテクチャチームでどうやって行こうか、模索中である。


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