TOGAF Business Architecture Foundationサティフィケート取得しました
タイトルのまんまですが、TOGAF Business Architecture Foundationサティフィケートを取得しました。
ビジネス・アーキテクトとしてのキャリアにシフトしつつある今日この頃、ちゃんと体系的に勉強して資格をとりたかったので、職場で使っているTOGAFというエンタープライズ・アーキテクチャフレームワーク内でのビジネス・アーキテクト試験を受けることにしました。これは経験なしでも受験できる知識ベースの試験なので、ハードルが低い。もう一つ有名なCertified Business Architectは、実務経験が数年ないと受験にすら辿り着けないそうで、まだまだ先になりそうです。
この手の試験やトレーニングは高額なので、職場でトレーニング&試験のバウチャーをくれないかな、と思ってたのですが、なんせ色々と手続きが煩雑(Bullshit Jobs参照のこと)なので、さっさと自腹で取りました。税込481.90ドルでした。高い!
高額トレーニング(オンラインや対面でインストラクターが教えてくれる&試験のバウチャーがついてくる)は安くても700ドルくらい、無理だな、と思って一発試験を受けたのですが、一発試験でも500ドル近くするのならトレーニング受けてもよかったかな・・・とも思います。
が、もう終わったことなので、私の経験を書いておきます。
まずは試験情報。
TOGAF® Business Architecture Foundation Exam
試験の詳細はこちらです。
試験は60分で40問。60%で合格です。英語が第一言語でない場合はプラス30分もらえます。試験自体はオンラインで、机の周りを片付けて写真を撮らされ、試験通はカメラとマイクオン、画面の向こうには監視する人がいます。
語学試験や他の試験のように、カメラで直接部屋を見せてチェックされる、というのはありませんでした。写真を前後左右から撮ってアップロードするだけ。
ある程度勉強して準備ができたな、と思ってから試験を予約しました。
それまでは、以下のサイトを使って勉強しました。
The Open Group Library
TOGAF (The Open Group Architecture Framework) はOpenGroupによるエンタープライズアーキテクチャのフレームワークです。The Open Groupのウェブサイトにはライブラリがあって、いろんなガイドブック、データシート、なんと無料で見られるウェビナーもたくさんあります。
アカウント自体は無料で、多くのコンテンツも無料です。試験対策のスタディガイドは30ドルくらいしましたが、これは課金しました。課金メンバーシップもあり、一部コンテンツには私はアクセスできませんでした。個人的にはウェビナーが無料とは思えぬほどすごく有用で、今後も色々と見てみようと思っています。
The Open Groupのウェブサイトで見つかる有用なコンテンツは以下。
The TOGAF® Standard, 10th Edition (PDF or HTML)
TOGAF® Business Architecture Foundation Study Guide (PDF) - $34.99 試験対策のスタディガイドなのでこれが一番使えました。
Udemyでトレーニングコース購入
Udemyというオンライントレーニングのプラットフォームで、比較的安価な(10ドルとか)コースを二つ購入しました。
Business Architecture Foundation with TOGAF 10 Standard
タイムセールで15ドルくらい。Udemyはいつもタイムセール中な気がする。
このコースはTOGAFとはなんぞやから始まって、ビジネス・アーキテクトにフォーカスしたコースです。これを最初から見て、詳しく知りたいことは前述したスタディガイドやスタンダードなどを参照しました。
Practice Test Pack for TOGAF 10 BA Foundation Certification
そして同じ先生たちが作っている、お試しテスト集も購入しました。こちらもタイムセールで10ドル。
自分の英語力を棚に上げてこんなことを言うのも憚られるのですが、この先生たちの作る問題文の文章がなんかわかりづらい。同様のコメントがありました。また、たまに答えが間違ってる気がするし、納得いかない問題も結構ありました。細かい説明はありません。あたりかハズレか、何点取れるか、をひたすらやります。
これで80%くらい取れるようになってから試験を予約しました。
ちなみにこのお試しテストを繰り返した後に、前述のスタディガイドの後ろについている模擬試験をやったところ、文章がわかりやすかった。やっぱりこの先生たちの言い回し、私にはわかりづらい。
実際の試験はOnVUEというオンライン試験ツール
準備できたな、と思ってから、前述した試験情報ページからTake Examというページに移動、画面に沿ってperson VUEのダウンロードページに送られ、そこから手順に従ってシステムテスト、試験の予約をします。
試験の予約確認のメールに「試験当日にはここをクリック!」みたいなわかりやすいものがなくて、当日のチェックイン時間(試験開始の30分前)にものすごい慌てました。メールに戻って以下の文章を発見、クリックして進めました。わかりづらいよ。Other proceduresってなによ。
![](https://assets.st-note.com/img/1733333365-wXfeG2kj1vW3IE5miMrxsCtq.png?width=1200)
その後、onVUEのアプリの指示に従ってオンラインの試験をしました。
試験の結果は数分後にメールでリンクが届く
試験後数分して、メールで結果が届きました。リンクをクリックすると以下の通り。試験パスしました!
![](https://assets.st-note.com/img/1733333696-AhOY2MC3dcq5LHw7FVW6onmr.png?width=1200)
80%を目指していたものの、72%。どこら辺が弱かったのかがわかります。ADMサイクルのビジネスアーキテクチャ意向については弱めだったのでそこと、ビジネスシナリオについても間違っていたようです。ビジネスケイパビリティ周りはもっといけると思ったのでちょっとがっかり。
実際のサティフィケートはこれからThe OpenGroupが発行してくれるようです。
スコアは満足とはいかないものの、とにかくパスしましたので、職場のチームメイトにも伝えました。
試験を受けてよかったこと
エンタープライズアーキテクチャチームに入って3ヶ月。最初は本当にチンプンカンプンでした。今までやってきたことを活かせるのかどうかもわからなかったし、みんなの話している言葉自体がわからなかった。概念が掴めず、本当に泥の中を泳いでいる感じ。
泥水がだんだん澄んできた:言葉や構造がわかる
勉強を通して、みんなの話している言葉がわかるようになり、今やっているプロジェクトはなぜこのような構造で進められ、このような成果物が求められるのか。そもそもプロジェクト以前に、エンタープライズ・アーキテクチャチームの存在意義、そして私たちのシェアポイントサイトのフォルダがなぜこういうふうに構成されてるのか、までわかってきました。AHA! モーメントがちらほらありました。
世界の見え方が変わった
というとすごく極端に聞こえるのですが、あれっ、家族ってエンタープライズじゃない? と気づいたのです。
私が家族のために数年から数十年単位のlong-term goalを設定してちまちまお金の計算をしたり、いろんな可能性を想像してそれのための調べ物をしたりするのも、これはStrategy Management, Finance Managementというビジネスケイパビリティじゃない? スプレッドシートやGoogle DriveはそれぞれのBCにマップできるアプリじゃない? それをいまnoteで書いているのは、knowledge capturing and sharingだ。というふうに見えてきたのです。
家族というエンタープライズのビジョンを設定し、それに向かって何をする必要があるのか、今はできていないことは何か(Gap Analysis)考えるのも立派なエンタープライズアーキテクチャだ、と。
家族に限らず、いろんなものがアーキテクチャレンズを通して見ると違って見えてきて、私の上司たちにはこうやって世界が見えているのかな? これから私にももっと色々見えてくるのかな? と楽しみになります。
CVにかける&キャリアアップにつながる
最後にすごくプラクティカルなよかったこと。サティフィケートなのでCVにかける。LinkedInに早速追加しました。
私いは今までユーザ側からアプローチしてきました。ユーザ、タッチポイント、ビジネス、という順番ですね。それを私は自分のコアなスキルだと思っています。それを今は反対側から見る練習をしている。これらのスキルを合わせると、きっと私は将来的にはもっとユニークな、ビジネスとデザインを合わせたスキルセットを構築していけるんじゃないかな、と思っています。
部署移動してよかった!