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エッセイ同人誌感想 喪主、措置入院、理系研究室
買ったエッセイ同人誌の感想を書いていくよ。
『これで君も喪主だ! 密着相続ドキュメント2023-2024』はと文庫
著者が親二人のお葬式をやって死後の手続きをあれこれやった記録。
いろんな意味でせきららな内容が多く、これはインターネットに上げられないだろうなという同人誌である。
不謹慎ネタのような内容も含まれるが、人間追い詰められたらそういう不謹慎ネタみたいなことを考えるよねという納得感があった。死後の手続きをしながら著者がハイキューの映画を見ようとしているのにちょっと笑ってしまった。悲しんでないわけではなくて、心を守るため少しでもエンタメのことを考えないとやってられないんだよね……。
著者があれこれやっている間に能登地震が起こり、防災についても考えてしまうくだりもなんだか切なかった。(四国の地形はとても険しいため、能登のようなことが起こる可能性がある)
ところどころ徳島のローカルネタが挿入されるのも面白かった。友人に徳島人がいるので彼女にも読ませたい。
『措置入院体験記』小林エリコ
妄想によって措置入院した著者が退院するまでを描いた記録。
まとまりのない妄想の繰り返しから、徐々に正気を取り戻していく描写が圧巻。
挿入されている著者の自筆のイラストの素朴さになんだかしんみりした。
措置入院が人権侵害なのは否定できないのだが、著者が措置入院を受けなければ医療につながれず、死の危険があったかもしれない。措置入院された先が適切な対応をしてくれるところでよかった。
私も精神疾患当事者であり、周囲にも措置入院を経験した人がたまにいる。
措置入院を減らしたところで、社会が精神疾患の人間に寛容にならなければ、精神疾患の人間のためにはならないだろう。
『研究室の幼女ツイッターまとめ2』よじけん
1が完売していたので突然2巻から買った。
私がごりごりの文系のため何をしているか全くわからない描写が多い。数少ない理系の友達も工学系ばっかりだったから何もわからない。しかしこれもきっと世の中に必要な仕事なのだろう。よくわかんないけど……。わからないことは素直にわからないというスタイルでうちのサークルはやっております。
洗い物や実験用ラットの世話など、細々した仕事の話が多い。研究者に憧れている人には夢のないエッセイかもしれない。が、かっこいいと思われている仕事でも、結局こういう面倒な仕事をしている時間の方が多いというのは仕事あるあるだと思う。
私が知らないところで私の知らない仕事をしてくれる人には感謝を捧げたい。
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