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【シアトリズムFINAL BAR LINE用】ハンドメイドコントローラーについて

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前回の記事では、家庭用ゲーム機(PS4)のコントローラーを制作するための足がかりについてまとめた

まずひとつ報告しないといけないのは、Arduinoで作ると言いつつ、Raspberry Pi基板を使うことによってより簡単にコントローラーを制作可能だという知見を得たことだ
GP2040というファームウェアがある。Raspberry Pi基板に簡単にインストールでき、ブラウザ上でボタンマッピングなどの編集が完結する優秀なファームウェアだ

RP2040搭載基板にインストールして使うファームウェアで、Pro Microよりピン数が多く安価なもの。それぞれの性質で使い分けるとよいが、GP2040ではPS4用コントローラーとして使用できるモードがあるため、今回説明するシアトリズムFINAL BAR LINE、及び、今後執筆するスクフェス(ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル)用のコントローラーにはこちらを用いる


1,材料の購入

今までの記事ではArduino互換基板Pro Microを使用してきた。そのため、新しく別の基板を用いる今回はまた1から詳しく説明していく

Raspberry Pi Pico

RP2040と検索して最初にヒットするのはおそらくチップ単体と思われる。そのままでは使用できないため、RP2040が搭載されているRaspberry Pi Picoを使う
Pro Microとは違い、秋月電子でも販売されている(なぜ秋月ではPro Microは取り扱われないのだろう)。秋月電子オリジナルの基板はピンのレイアウトが違うため、正規品のRaspberry Pi Picoを使う。GP2040ではこちらのピンレイアウトが推奨されているはず

より安価なものを求めるのならAliExpressなども探してみるとよい

アーケードジョイスティック×2

こちらは当記事でもお世話になっているAliExpressにて互換品が販売されている

これについては、レバーボール部分だけ見えてる状態で使うため、3Dプリンターを用いてパーツを作る。詳しくは後述

45mmレバーボール×2

実機でも使用されているレバーボール。千石電商で売っている。秋葉原店にも売っている
色はお好みで。見出し画像の通り、製品版では白

プレビューが出ないので画像リンク

60mm円形ボタン×6

シアトリズムACではボタンは2つだけだが、CSではたとえば右手ならR1、R2、その他◯△×□の3ボタン入力が行えるため、片手で3ボタンを押せると良いとプレイヤーからの助言を頂いた。そのため、左右3つずつで計6個使う。これらがメインのボタン

30mm四角ボタン×5

これは任意だが、当記事で説明するボタンレイアウトでは必要になるため記載する
楽曲プレイ中の操作さえ行えればそれでいいのなら必要無い

任意のバネ、スイッチ×6

メインとなる6個のボタンに使用する。販売(予定)のものはバネ抜き100gスイッチを使用する

他電子工作用の部品、基板に対応したUSBケーブル、枠組み用の木材など

ジャンパーワイヤー、はんだなど基本的なものは必要
USBケーブルは百均などに売ってるものでよい。Pro Microとは違いモゲないので家にあるやつでもいい
枠組み用の木材については後述の寸法を参照

2,枠組みを作る

拡大推奨

全体の大きさは幅60cm、奥行き28.5cm。ボタンレイアウトの寸法は上の図を参照
それなりに細かい寸法かつ円形もあるため、手作業で測るのは難しい。後述する項に付属する3dプリント用のファイルに、3Dプリンターで作れる型紙データも同梱してある
天板は2.5mmMDFを使用している。それ以上厚いとカッターナイフでの切断が難しい。切断用の工具を持っているのなら厚くしても構わない

3,Raspberry Pi Pico基板にGP2040をインストールする

方法は簡単。GP2040のサイトからRaspberry Pi Pico用のファームウェアをダウンロードする

基板上にあるBOOTボタンを押しながらUSB接続すると、基板がストレージとして認識されるので、ダウンロードしたuf2ファイルをコピーする。すると自動でGP2040がインストールされる。これで完了
そしてピンの17とGNDを短絡しながらUSB接続することで設定モードになる。ブラウザ上でhttp://192.168.7.1/にアクセスすることで設定画面になる(製品版ではOPTIONボタンを押しながら接続することで設定モードになる)
アクセスできたら、右上のモード選択からPS4もしくはSwitchを選び、Configration→Add-Ons Configurationを選択。Joystick Selection SliderをLeft Analogにして、Dual Directional InputをRight Analog、Combination ModeをNoneに設定して、下にあるSaveボタンを押す

次にConfigration→Pin Mappingに移動して、各ピンアサインを以下のように設定してSaveを押す(PS4版のアサイン)

仕様が分かるのであれば、このピンアサインはある程度任意でも構わない

最後にSettings→Input Mode SettingsからPS4を選ぶ
※PS4モードは接続後に8分で接続が途切れる仕様があり、いくつかのファイルをインストールしないとこの制限を解除できません。製品版ではインストールされていませんので、必要に応じて自己責任でインストールを行ってください※

これでSaveを押したら設定は完了。RebootするなりUSBケーブルを抜くなりで接続を解除する

4,3Dプリンターで必要なパーツを作る

作るパーツは上の3つ。ジョイスティックレバーを固定するものと、操作しやすいように天板に取り付けるリング状の2枚
印刷用の3mfデータはこちら

theatrhythm_leverから始まる3つのファイルがこれらのパーツのデータ。theatrhythm_panelから始まる4つのファイルは、先述した型紙用のデータ。実際の天板の寸法より横幅は狭くなってるので、60cm幅の中央に合わせて使用する
左右で使うため、各2つずつ印刷する

印刷したらジョイスティックレバーのネジを外して分離する
下部と鉄板部で挟み込むようにして、ネジを締め直す。45mmレバーボールも取り付ける
2枚のリング状のパーツを経由して天板に固定する

他のボタンについては説明不要と思われるので割愛

5,配線

まず、今回説明するシアトリズムコントローラーのボタンレイアウトは以下のようになる

上記のピンアサインで指定したようにこれらのボタンを繋いでいく。ジョイスティックレバーは、裏から見た状態で右からGND、上、下、左、右となる

最終的な配線はこの通り

6,完成!

こちらはプレイ動画

公式から発売されていないコントローラーも、自作すれば遊べるようになる。全世界の光の戦士たちはぜひともシアトリズムもアーケードの操作感で楽しもう