名のるとそう呼ばれる(寝ながら気づいた当たり前のこと)
みなさんはこの事実に気づいているのでしょうか?
名のるとそう呼ばれる。
ボクは高校生の頃からそのとこに気づいていた。
ぱんすとくっきんぐというバンドのメンバーだった。パートはドラム。いまも解散はしてないから、現・ぱんすとくっきんぐのDrである。
高校3年生のときにくまたくんと、むらせくんの3人で作ったはじめてのバンドで、ボクは顔が大きいからという理由でドラムをやることになった。
ちなみにだれもまともに演奏なんてできない。でもそれでいい。バンドというのは演奏よりもアティチュードの方が大事である。だからかっこいいのだ。練習そっちのけで、日夜バンドマンらしいかっこいい個人名を命名しあった。
ボクはブーちゃんと名のることになった。
初めてのライブで対バンの人に自己紹介する時はこうだった。
「はじめまして。ぱんすとくっきんぐのドラムのブーちゃんです」
フライヤーを書いてもらう時は
「ブーちゃんの「ブー」はカタカナでお願いします」
であって、
曲の間奏ではボーカルのくまたから、
「ドラムス…ブーちゃん!」(ドコドコパン、ドコドコパン)
と煽られる。
振り返ると月10本〜15本くらいライブをやっていた。演奏のレベルが原始人なわりに(いや、原始人にも失礼なレベル)異常なアグレッシブさである。
そうしていると、どこかのライブハウスでブッキングを担当してるらしいプロデューサー風のクールビューティな大人から声をかけられたりもした。
その人はジントニックをテーブルに置いて、イヤホンを外しなから聞く。
「ブーちゃん本気でロックしたい? なら電話して」
ボクは心の中でこう思った。
「この人、俺のことブーちゃんって呼んでるよ! 恥ずかしくないのかい!?」
でもだ。恥ずかしいわけがない。だって、本人がブーちゃんと名のっているんだから、ボクのことをブーちゃんと呼ぶのは当然である。というより、それ以外に呼ぶ術もない。
そういえば、高校入学初日に、ナカタという丸坊主の男が初対面のボクにこう言った。
「はじまして。ナカタです。Hell(ヘル)って呼んでください」
ボクは今でも彼のことをヘルと呼んでいる。ボクの方はまったく恥ずかしくない。
名乗ったらそう呼ばれる。
寝ながら今日思った。
(ちなみに、情熱のフラミンゴという名前、ホンット変えたい。でも妙な愛着もあるんだよなあ)