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#30 泣いたあと重ね塗りするラメみたいに

(最近の日記メモです。短い順になってます)

1.
「美味しいものでも一緒に食べよう」って言ってくれる人達がいるから、
オートミールともずく酢と卵を混ぜてチンして納豆かけたやつを家ではほとんど毎日食べている。


2.
自分の顔や身体が醜くて苦しいと、自らを醜形恐怖症だと言って車のシートにうずくまって泣く女の子の動画がyoutubeに流れてきた。
こんなの見なくていい。
分かっているのに、洗濯物を取り込みながら最後まで再生していた。
共感や憤りや憐憫が甘美に混じり合ってから腐って、お腹の底でぐらぐらと沸き立つのを感じながら、その子の姿をとても直視していられなかった。


3.
こころが限界になりそうな時に届いたメールの文面がちょっと乱暴だったとか、そんなことでコップが溢れてぐちゃぐちゃに泣けてしまえた。
腫れた目をごまかすために塗られるラメ。
こんなふうに自分もありたい。
涙に濡れて、たとえ報われなくとも光っていようね。

数時間前までとめどない涙を流していた私の頭上から「仕事中こんなに笑ったの初めてです!元気出ました」と整体師のお兄さんの感慨を含んだ声が思いがけず降ってきた。(優しい。)
泣き虫で笑い虫。
最後には私も「これやばい!押し潰されてぺっちゃんこになりそう!!」とか言って施術台で笑い転げていた。


4.
ダンサー/講師としての名刺を作った。
名刺のデザインからネイルや裁縫、動画編集にいたるまで、素面でいるより酩酊していた方が没頭できて捗る(気がする)。
だから作業のゴールデンタイムは夜更けと共に訪れる。
最終データを入稿するまでにダブルヒガシのラジオをちょうど聞き終えたから、多分40分もかかっていないだろう。
お酒は私をゾーンに誘うのだった。
ゆるんだ脳で確認をするので実物が届くまでは一切安心できないのだけど。

「Era(エラ)」と自らルビをふった名を、他人のそれみたいに眺める。今だに少し気恥ずかしくて、気後れするようで、誇らしい。
もとより名前は人間が産まれて一番最初に聞く詩だから、その美しい贈り物を二度も受け取ることができたのは幸運なことだった。
「今日のことをこれから何度も思い出すんだろうな」とストーリーに綴っている時の高揚を、たしかに覚えているくらいに。
たかがダンサーネームで、芸名なのだけど、先生に名前をもらったあの時に21歳の私は産まれ直せたんじゃないか、という気がしている。

弱いまま、表現することを諦めずにいられた。
今も。

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