見出し画像

○○徴候は診断のためのヒント!

第104回 午後51問
Aさん(50歳 男性)は上腹部痛が突然出現したため、冷や汗をかき腹部を押さえながら家族と来院した。Aさんは十二指腸潰瘍の既往がある。

このときに観察する徴候として最も適切なのはどれか?
1.ロンベルグ徴候
2.ブルンべルグ徴候
3.クールボアジェ徴候
4.トレンデレンブルグ徴候
                         答え・・・2

【○○徴候】勉強しているとたくさん出てきますよね。覚えるのが私も大変だったのを覚えています。臨床ではこの徴候があることが、その病気を疑う一つの根拠にもなるので、覚えていて損はないですね!
今日はひとつひとつ見ていきましょう。

1.ロンベルグ徴候
 患者さんに足を揃え、目を閉じて直立するように声をかける。そのときの患者の動きを周囲の垂直なもの(柱やドアなど)と比較し体の揺れがあれば陽性と判断する。陽性であれば脊髄性の運動失調を疑う
私は正直実施したことはないです・・・(笑)
※試験中に患者が倒れてしまう可能性もあるので注意が必要

2.ブルンべルグ徴候
 患者さんの腹壁を垂直に押して勢いよく話したときに痛みを感じる場合、ブルンべルグ徴候陽性となる。反跳痛とも呼ばれ、腹膜刺激症状のひとつで腹膜に炎症を起こしている可能性を表している。これが陽性の患者さんは、歩いたり、車での振動だけでもお腹の痛みが増強すると訴えることが多い。
救急の現場ではよく出会う。
この患者さんの場合は十二指腸潰瘍の既往があって、ブルンべルグ徴候が陽性・・一番疑うのは上部消化管が穿孔してしまっている可能性ですね。

3.クールボアジェ徴候
 乳頭部癌、膵癌など胆嚢より下部の総胆管を圧迫し閉塞させてしまうことで、胆嚢は拡張、胆汁はうっ滞してしまう、そのため腫大した胆嚢を無痛性に触ることができる所見をクールボアジェ徴候という
これも私はみたことないですね・・・

4.トレンデレンブルグ徴候
 けがをしたり、病気、手術をしたほうの足で片脚立ちになったとき、健肢側の骨盤が下がる現象のこと。股関節障害の検査方法のひとつ。先天性股関節脱臼などで中殿筋の筋力が弱い場合にみられる。

圧倒的に救急外来で出会うことが多いのは2のブルンべルグ徴候
国家試験の勉強でせっかく暗記したものを、実際臨床にでたとき
『あ!これが○○徴候か!』って繋げていくといいね。

ワンポイント!
上腹部痛で来院される患者さんは多い。消化器症状の可能性だけではないことを頭に置いておいてね!
一番怖いのは・・心筋梗塞
実際に【腹痛・嘔吐・冷や汗】で来院されて、心電図を採ってみるとST変化が!!緊急でカテーテル治療になった患者さんもいます。発症した経緯や痛みの程度、持続時間、痛みの部位など国家試験の勉強で覚えていることが患者さんの問診に使えるから絶対無駄にはならないよ!

あともう少しで国家試験!!ラストスパート頑張ろう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?