清水エスパルス マッチレビュー J1第17節(A)湘南ベルマーレ -進化か後退か- 19.Sep.20
こんにちは、El Gran Equipoです。
今回はJ1リーグ第17節 湘南ベルマーレ戦の振り返りをしたいと思います。
前節に7連敗を喫し、連敗記録の更新にリーチがかかってしまっていたエスパルス、遂に遂に、待ちに待った400勝を達成しました!
前節と同様にミラーゲームという点は同じでしたが、今節は個人での戦いに勝つことが出来ていた点が勝利を手繰り寄せた要因になったと思います。
また、特に注目されていたのが、最終ラインからのビルドアップではないでしょうか。これまで目指してきたスタイルを捨てて「後退した」のか、それとも新たなオプションを加えて「進化した」のか。
そんなところも見ていきたいと思います。それでは行ってみましょう!
1.スタメン
今節もスリーバックで臨んだエスパルス。特に六平が最終ラインの真ん中に入ったことが驚きでした(結果的に攻守に渡りすごく効いていました)。
また、中盤は前節から変わって5枚となり、アンカーを置く形を採用しました。もしかしたら前節の後半で、上手く守備が行えたところを評価してのことかもしれません。
(前回の記事でも取り上げていますので是非)
2.理にかなったビルドアップ
これまでのショートパスでのビルドアップから、この試合ではロングボールを織り交ぜる場面が多くみられました。
以前のサッカーへの後退と言う意見もありましたが、個人的にはポジティブな変化であり、チームの進化に繋がるものであったと思います。
①ビルドアップの構図
この試合では、湘南の中盤1枚がエスパルスのセンターバックの片方にプレスをかけ、スリーバックに人数を合わせてくる場面が多くありました。
しかし、プレッシングを受けて、詰まってしまった場合にも、ドゥトラの高さを生かして、ロングボールを入れこむという選択肢も生まれたことで、自陣深い位置でボールを失うことがなく、結果的に相手も的を絞りにくくなっていたと思います。
この試合では、結構アバウトなボールでもドゥトラが収めてくれたため、相手にとっては相当いやだったのではないかと思います。
この試合ではあまり多くなかった、相手の背後へのロングボールも混ぜることが出来れば、より効率的に攻撃を進められるようになると思います。
また、お互いにウイングバックは対面するウイングバックに密着マークするという構図になったので、必然的に竹内の周囲には比較的スペースが生まれやすくなっていました。前半の中盤辺りは竹内を上手く使って、ショートパスでのビルドアップを行うことも出来ていました。
西澤も対峙する相手の圧力を受けても簡単にボールを失わず、攻撃の組み立てにおいて良い起点になっていました。
②カルリーニョスのゴールの前にも
後方からのビルドアップにはリスクが伴いますが、その分リターンも大きくなります。チームの狙いもそこにあるのだと思います。
先制点のシーンは、まさにそのリターンを得た場面でした。
ウイングバックと中盤の選手で上手く三角形を作り、相手のウイングバックを引き込んだ背後のスペースを突くことが出来たので、一気に数的同数で攻撃を行うことが出来ました。
後半、エウシーニョが入った後も良かったですが、ボールを失わずに運べれば、一気に状況を打開することが出来るようになると思います。
3.変化のあった守備対応と課題
①プレッシングの行い方に違い
湘南が中盤を押し上げてプレスをかけてきたのに対して、エスパルスの前線の守備は対応の方法が少し違いました。
守備のスイッチはドゥトラが入れますが、センターバックからのパスを片側に切る程度。パスが出た後も、カルリーニョスは飛び出さず、背中で湘南のアンカーを消す位置を取っていました。
後方はマンマーク気味についているので、相手がドリブルで運び出せば、そこで初めて中盤が出ていくという形を取っていたと思います。
結構慎重な守備を行っていましたし、アンカーに入った竹内はきっちりとスペースを埋めており、守備を安定して行うことが出来ていたと思います。
アンカーを置く中盤の構成はこれからも見たいなと思いました。
②そこが崩れると不安定
しかしながら、この守備組織が少し崩れてしまうと、途端にバタバタとしてしまった点が気になりました。
上図は前半ピンチになった場面ですが、中村が若干早めに相手センターバックに飛び出してしまい、その後方にいた茨田へと繋がれてしまいました。
茨田のところには、ドゥトラと竹内が重なって飛び出してしまい、不要に中央のスペースを空けてしまう結果となってしまいました。
また、スリーバックの3人の距離のうち、六平とヴァウドの距離が遠く、結果的に湘南 石原にシュートを打たれてしまう結果となりました。
今後の試合を考えると、竹内のところは不用意に飛び出さないことが大切と思いますし、ヴァウドは個人の能力が非常に高いこともあって、ポジショニングがほんの少し甘くなってしまったというところですが、今後気を付けたい点だと思いました。
ただ、試合、ヴァウド、ヘナトの対人の強さや高さはすさまじく、両ウイングバックも本職でないながらすごく守備を頑張ってくれていましたね。
4.おわりに
非常に苦しい状況の中、最高の試合を見せてくれたチームにおめでとうと言いたいです!(試合後のインタビューが久々に楽しかったですね)
ビルドアップについては、試行錯誤の中、ある程度割り切ったところはあったのかもしれませんが、ベースに培われてきたショートパスがあるのでロングボールが効果的な選択肢になっていたと思います。
この試合ではスリーバックが上手く機能したのは事実ですが、次節の相手となる浦和はオーソドックスな4-4-2を得意としています。
4-4-2の相手に対する3-5-2はサイドがどうしても手薄になるので、クラモフスキー監督がどのような戦い方を選ぶのか、とても楽しみです。
本日も最後まで読んでいただいてありがとうございました。
(図のヘナトの背番号がイーニョでした。すみません。。笑)
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