感情を科学する「ノーブルゴールの追求」
今回は、ビジョンや生き様など「理想の未来を描く」ことの価値についてお伝えしたいと思います。
私たちシックスセカンズのEQグローバルネットワークでは、「ノーブルゴールの追求」と呼ぶEQコンピテンシーがあります。
Noble Goal(ノーブルゴール)=「崇高な目標 」と直訳されますが、日本人の感覚では「生き様」や「与えられた命を何のために全うするのか」を意味します。
ノーブルゴール、生き様、ビジョンなど言い方は違えど、なぜ?これら理想の未来を描くことが大切なのでしょうか?
私たちの日々は選択の連続です。そうした日々の選択において自分が向かうべきゴールが描けていれば「何のためにその選択をとるのか?」を自分に問うことができ、自分らしく自分が本当に望む選択をすることができるからです。
最近流行りのバズワードに「Purpose = 目的」があるように「なぜ、何のために」その企業や組織は存在するのか? 明確な目的を持って過ごしたり活動することの重要性がいま問われています。
「何のために」・・・つまり私たち一人ひとりにおいて人生の目的を考えることが大切だということでしょう。
理想の未来を描くことが大切な理由は私たちの脳の特性にも関係しています。
私たちの脳は「想像していること(バーチャル)」と「現実(リアル)」とを区別することができません。何によって「現実」と判断しているかといえば簡単に言ってしまえば、五感からの刺激が有るか無いかです。五感の刺激を伴えば現実と判断します。
極端なことを言えば、脳に電極を挿してリアルと同じ五感の刺激を脳に与えることが出来れば、バーチャルを現実と判断します。これが映画「マトリックス」で描かれているプラグで繋がれた世界です。
この脳の特性を利用して「現実」と「理想の未来」に大きな隔たりがあれば矛盾を感じて脳はストレスを感じます。このギャップを埋めようとして「理想の未来」に近づくための選択をします。例えば、理想の未来に近づく情報を探したり、場を選んだり、行動を選んだり、人を探し選んだりします。
今は手が届かなくても良いし、馬鹿げていると思われても良いので、ビジョンを描くこと、「理想の未来を描く」ことに価値があります。
ちなみに、日本の多くの企業が行っているように半期の目標や年度の目標は現実と遠く離れていないので、達成してもしなくても脳は区別せず、達成しないからといって悔しいとか、何とかしたいといった感情や思考が芽生えることは期待できません。これら短期の数字目標は脳科学的にはあまり意味がありませんし、達成に向けたモチベーションを得ることはできません。
SDGsやESG経営などが求められる今だからこそ、ノーブゴール、パーパス、ビジョンが大切になります。夢を描くこと、理想の未来を描くことは無駄でもないし、現実逃避でもなく、むしろ 現実とのギャップを自分ごと化することになります。
夢を描く、理想の未来を描くことは、崇高なことです。ノーブルゴール(崇高な目標)を追求しましょう。