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Oculus Quest 2を待ちながら

日本時間9月17日に発表された、新しいスタンドアロンVRデバイスOculus Quest 2の予約をしたので、その覚え書きです(試用レポではない)。

これは、同日深夜2時に行われたFacebook傘下のOculusブランドに関連するVR/AR系のオンラインテックカンファレンス「Facebook Connect」でお披露目されたもの。ライブ配信を観たあと公式ストアで3時に予約解禁されたのを確認して、その勢いで即注文してしまった。現在はOculus公式のほか、ビック、ヨドバシなどの家電量販店やAmazonでも予約できるようになっているようです。店頭で、スマホVRではない、ちゃんとした6DoFのVRヘッドセットを売る時代が来たのだ。

迷う理由がない

まず、わたしはほんのりVR技術に興味がある程度のライトなファンで、2015年にGoogle Cardboard、2018年にOculus Go、次いでPlayStation VRと試してきました。そして次はいよいよPCかなと思って、そのための環境セットアップを進めてきて、いざHMDを選ぶとなったときにこのQuestの後継機の噂が出てきた。

Oculus Questはもともと単体で動作するオールインワンのVRヘッドセットとして登場したものですが、後にOculus LinkというUSBケーブルとPCを接続してPC向け汎用VRディスプレイとしての活用にも対応する追加仕様が発表されて、今回のQuest 2においてもそれが引き継がれています。ディスプレイ解像度も大きく向上して、単体用プロセッサも強力になり、PCVR機器としても使えて、なおかつ3万円台というのは当初の期待を大きく超えるもので、他の選択肢が吹き飛んでしまったんですよね。

ちなみに、間もなく出るHP Reverb G2という超高解像度のVR HMDも比較対象ではあったんだけど、いざ発表されたら思いのほか(というか当然なことに)グラボの要求スペックが高くて、これはうちのGTX 1660Superでは検証にすらならなさそうだということに…。

今のところわたしは本体のみOculus公式サイトで予約していて、Eliteストラップなどのアクセサリは必要に応じて買い足そうかなと思っています。Oculus Linkケーブルは、公式の1万円のものはケーブル長5mで光ファイバー製&細いというものですが、話によると転送速度5GbpsのUSB3ケーブルであればだいたい何でも大丈夫のようなので、仕様上限の3mケーブル(Ankerのやつか何か)を買っておくつもり。

Oculus Goはどうだったか

その前にせっかくだし、2年前に購入当時に記事も書いたOculus Goについて、実際使ってみてどうだったか書いておこうと思います。

単体機としては取り回しが良く、気軽なVRプレイヤーとしての意義はあったんだけど、いかんせんコンテンツが少ないのと、処理能力の限界がね…という感じでした。VRゲームにはLand's EndとかDaedalusみたいにチャレンジングな名作がありつつも、どうしてもテクスチャを省略してつるっとしたボクセル3D表現になりがちで、VRに期待する「実在感」からは遠かったんですよね。

幸いYouTubeには実写VR180コンテンツがたくさんあって、3Dカメラによる世界各地のお散歩とかドローン空撮映像とかを時々探しに行っていたんだけど、それもブラウザの使い勝手の悪さからあまりしなくなってしまいました。とにかく処理が重い…。そして本体もコントローラーも、あっという間に電池が減ってしまうという欠点もありました。

上の記事に書いたように、Oculus Roomsとかでフレンドとコミュニケーションできれば、コンテンツ同時視聴とか対戦ゲームとか、もっと違った楽しみもあったのかもしれないけど、結局、Oculus Goを買った友達が全然いなかったんです。普及しなかった!

唯一わたしがOculus Goに未来を感じたのは、Oculus Venuesという機能です。これはバーチャルシアターにユーザーがアバターとしてログインして、ボイスチャットありの環境で大勢の知らない人たちと一緒にわいわい同じコンテンツを試聴するというもの。

こんなふうに顔の向きと声に追従して3Dアバターも動き、座席を移動したら近くにいる人たちの声も変わる。実際に先日のFacebook Connect発表会とか、過去のOculus Connectイベントはこれで視聴してみて、なんだかぞわぞわする体験をしました。こういう驚きをもっともっとVRで味わいたかった。

Oculus Goはそのためのデバイスとしては、スペック的にもいささか力不足で、コンテンツ面でも普及度においても時期尚早のものでした。

VR/ARが当たり前の世界線へ行ってみたい

あれから2年、Quest 2は、当時はまだ早すぎた様々な意味での「壁」を今なら壊してくれると期待するに足るポテンシャルを持っています(少なくともハードウェア的には)。例えば、Facebook Connectのプレゼンのなかでは、"Infinite Office"としてQuest 2普及後の未来のイメージを描いている。

これがスマートで理想的かどうかというのは別にして、研究開発段階にあるARグラス(Project Aria)の実用化の前にくる在り得べき未来としては、おもしろいなと思います。こういう世界線に行ってみたい。

ただまあ、普及の点では、Facebookアカウントが必須であることへの懸念はごもっとも。既にOculus GoとFacebookアカウントと連携して使っている自分としては、アクティビティのシェア範囲は予め好きなように設定できるし、適切に扱えるならそれでいい。そもそもFacebookのプライバシーポリシーに疑念がある人は、アカウントを消してVR専用のアカウントを新規に作り、個人情報やフレンド情報を一切入力せずに使えばいいのだし。それでも宗教上の理由でFacebookと相容れない人は、仕方ないけれど…。

わたしは、Oculus Quest 2がどんなに完成度が高いデバイスだとしても、そこがゴールだとは別に思っていなくて、それはVRに興味のある人の多くがそうなのだろうと思います。将来もっと優れたデバイスが出たら、当然それを買うわけだし。そうして、その都度テクノロジーに「賛成票」を投じた先に、技術者が思い描くxR(VR/AR/MR)技術が当たり前になった世界があるといいなと思う。

このザッカーバーグのキーノートから続くセッションは長いけどとっても面白くて、今回発表されたQuest 2と、その先の近未来的なARプロジェクトが地続きであることがわかります。手首装着型のセンサーによって、バーチャルに6本目の指を生やしてタイピングを高速化する実験とかがある。果たして人間の脳はこの機能拡張にどこまで耐えられるのか。

xRとは要するに視覚と聴覚、場合によってそれ以上の身体感覚を電子的にハックすることで、物理的・肉体的な制約を取り去り、高速化・最適化しようとする試み。上記のビデオのなかでFacebookの技術者はこれを一貫して「スーパーパワー」と言っていて、尚のことわくわくします。

Oculus Quest 2、今度こそ普及するといいな…。

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