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夏、健康、ヤクザ(日記)

連日、過酷な暑さが続きます。よく子供のころ「横断歩道の白いとこ以外はマグマ」みたいな遊びかたをしたものですが、今ふつうに日かげ以外全然マグマですからね。セミの鳴き声なんかも、日中はむしろおとなしく、日が落ちてからのほうが賑やかだったりして。同じ夏でも、もういろいろと昔の常識が通じない夏ではあります。

7月、気力体力ともにバテがちな時期ということもあって、例年よりも早く健康診断を済ませました。幸いにして今年も特段の異常はなく、単に運動不足であるだけで基本的には健康そのもの。国保の特定健診だけかもしれないけど、マイナポータルに健診結果の記録が残るのが地味に便利です。すでに過去2年分の記録が残っていて、数値の変化を比較することができるようになっている。

喉の調子が芳しくなく、今月から別の呼吸器内科で気管支喘息の投薬治療を試しています。といってももう6、7年続いている症状だから完全に慢性化してしまっているのだけど、体質を含めて少しでも改善の見込みがあるならと思って。健康は健康でも、当然細かい不具合はいろいろあるお年頃。

先輩にお声がけいただいて、昨年暮れに続いて再び三鷹のジブリ美術館へ行ってきました。この5月から11月にかけて、『君たちはどう生きるか』の企画展の第二弾にあたる「レイアウト編」の展示が行われています。これがとても良かった。特に漫画やイラストを描く人にはぜひ見に行ってほしい。

レイアウトとは、映画の各カットの背景とキャラを組み合わせた画面の設計図にあたるもの。絵コンテと原画の間に位置する資料です。『君たちは~』においては駿監督自身がかなり細かい絵コンテを描いているのですが、レイアウトはそれらのほぼ最終形のデザインが決まる過程であって、原画に落とし込む前に必要な要素がすべて出そろっています。アナログの鉛筆画ながら見せたい画が決まりまくっており、それが駿監督とアニメーターさんの肉筆によって実際に紙に彫り込まれている(本当に筆圧で原画用紙が凸凹になっている!)。例によって、すごすぎて何か具体的な参考になるわけではないんだけど、0を1にしていく創造の刺激を得られます。

今月はほかに、Steamのサマーセールで購入した『龍が如く7』をクリアしました。龍が如くシリーズ初体験。VTuberさんの配信で序盤の展開は知っていて、お話が大変魅力的だったのでそのうち自分でプレイしようと思って、敢えて続きの配信を見ないようにしていたのでした。今年続編である『8』が出たこともあって、各プラットフォームでたびたびセール対象になっている作品。

いやまあとにかく刺さるのは、何もかも失った40代のおじさんが横浜を舞台になり上がっていく物語であるという点です。『7』と銘打ってはいるものの、本作はシリーズ初登場の「春日一番」という男を主人公として、しかもゲームジャンルを昔ながらのRPGに変えての新規タイトル。その意味で、初見でもまったく違和感なく入っていくことができました。

謎が謎を呼び、さまざまな人物とぶつかり合い、そして最後にはきれいに過去と未来が重なって集束していくシナリオがおもしろい。これはふつうに映画や連続ドラマだったとしても楽しめただろうなと思いつつ、しかしゲームならではの「遊び」が大いに散りばめられた作品なのでした。限界を振り切ったギャグやパロディーもふんだんにあって、その笑いと遊びのなかで春日一番と仲間たちのドラマが深まっていく。クリアまでは56時間ほど。

現代の日本を舞台に、「ヤクザ」というファンタジーを人情噺としてどう描くかという点においてもおもしろかった。昭和のヤクザもののように単に英雄的に描いてもピンと来ないだろうし、滅びゆく概念を語り直すみたいなテーマもあったのかな。親兄弟、つまり家族というものについて、春日一番という男がどう考えているかを切々と語る最後の場面は、長い物語の結論としては少々意外でもあって、しかし春日はそういう男なんだなという納得もあった。春日という男が大好きになる。

また、横浜市民の目からしても横浜の描写がリアルだった。メイン舞台となる伊勢佐木町周辺は言うに及ばず、関内駅の先、山下公園のあたりまでずーっとオープンワールドが広がっていてびっくり。縮尺はめちゃくちゃなんだけど、位置関係とランドマークのフォルムが正確なので、ああここ知ってる!みたいなスポットが無限に出てくる。ゲームでこんなにリアルな横浜は初めて見ました。次実際に行ったら駐車場で金庫を探してしまうかも。

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