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テクノ新譜試聴メモ:2021-12

だいぶ遅くなりましたが2021年12月号です。年末はレーベルのrecap的な再録コンピのリリースが多く、例年新譜はそんなにない。

2021年、テクノ界隈は相変わらず人気はハード傾向にあるものの、なにしろ世界どこの国もクラブが動いていない…はず…なので地に足がついていない変な感じはありました。モチベーションの保ちかたが難しいというのは、この前もTwitterでTruncateあたりがぼやいていたし、Chris Liebing主催の配信オンライン飲み会(DJs and Beers)でも去年から散々話題になっていた。

それでも、作る人はしっかりいい曲を作り続けていた。記事末尾に記載したSpotifyのプレイリストでは、当欄で取り上げた「2021年」括りの新曲セレクションが全66曲まとまっているので、ご参考までに。

個人的にはJoachim Spiethのアンビエントアルバム"Ousia"の巨視的スケールの美学に救われたのと、シングルではやっぱJudaΣのΣ​-​BENDが頭バカになるくらい超かっこよかった。

Luigi Tozzi - Le Grand Bleu [Hypnus]

イタリア系ディープミニマルの旗手、Luigi TozziのHypnusレーベルからのアルバム"Deep Blue"シリーズの3作目。三連符のグルーヴが気持ちよくDJで使いごたえがありそう。14分ある。広がりのある空間処理と呪術的なビート、構成も凝っているようなのでアルバムを通して聴き込みたい。

Vertical Spectrum - Aurora w opalach [Faut Section]

ロウ/ヒプノ系定番レーベルFaut Sectionから、スペインのダークテクノ界隈でよく見かけるVertical SpectrumのEP。A1からして前のめりのドライブ感が良く、さすがに全曲いい。

Sam KDC - Demiurge [Granular Spectrum]

コロンビアのレーベルの企画コンピ、ラインナップがダーク系ドラムンの有名どころから無名まですごい。ブレイクビーツ主体のダークな音像がかっこよく、使いやすそうな84/126BPMのグレーエリア。このグルーヴ、Sam KDCやASCのようなオリジネイターだけでなくそろそろ新しいアーティストも知りたい。どんどん掘っていこう。

Spotifyプレイリストも更新しておきました。
興味のあるかたはプレイリストを追加してみてね。

「テクノ新譜試聴メモ」は、R-9が習慣的に行っている新譜チェックのなかから、気になったトラックについて個人的な覚え書きを残しておくものです。原則としてBeatport上で当月内にEPないしアルバムとして新規にリリースされたものが対象。通常は楽曲単位での紹介、まれにEPやアルバム単位で紹介することもあります。

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