伝える濃度
フレッシュジュース100%は美味しいけどやっぱり飲める量も限られる、情報も同じでそのまま伝えられる量も濃さも限られる。
ジュースも一旦濃度を濃くしてからだと保存や運搬、味の調整も出来るように情報も伝える前に自分の中で優先順位の低いものを蒸発させて伝えたいことの濃度を濃くし伝える。伝えられた方も受けっとた情報を自分の経験知識で薄めて自分の味に落とし込み、何を伝えられたのかを考える。そんな事を続けているとやがて情報の出し手も受けても敏感になり、伝える時間も内容も最小限で最大の結果が得られると思っています。
この話は僕が以前お店に居たスタッフに話した内容で、新しく仕事を覚える人に伝える時には(特に経験の浅い人への説明等・・)出来るだけ情報量を少なく濃い物にしてから伝えると伝わりやすかもねと言った記憶が有ります。同じ事を同じ言葉で同じように伝えても相手によってホントに個々受け取り方が違い、出来上がって来る物や帰って来る言葉は千差万別。。
色んなコストが上がり、働く時間が短くなり、物を作る為に手を動かせる時間というのも物凄く短くなって来ていてどこで折り合いをつけるかが難しい中当然伝える時間もコストに含まれてくる。伝えるのがコストというと少し聞き心地は良くない気もしますが、要は手間(大きく言えばお金)はかかる。
だけど人の面白い所はしっかりと伝わり理解をして自分なりに考えて行動し始めてくれると初めのコスト(手間)なんてすぐに回収どころかどんどん自走して進んで行ってくれる、自走している本人もおそらくその事が面白くやりがいが有りさらに自分で学びを深めてくれる。そうなればこちらの伝える事の濃度をうんと濃くして手渡すだけでさらに加速して進んでくれる。
この春から大学に通い始めた息子に大学はどう?と尋ねた時に
「お同じ言語で話せる」と返してきた。
国籍や言葉の種類という事ではなく、同じ方向の事を学ぶ為に集まった仲間なので当然話も合うし、その分野での知らない事を知れたり伝えたりという事だと思う。
仲間でありライバル、そうして刺激したりされたりでお互いに成長していく。僕たちの仕事も同じで年の違う先輩やシェフから始めは教えてもらう事ばかりだけどひとつずつ理解を深め経験を積んでいけばいずれは投げて受けてから仲間、ライバルになっていけると思うし、伝える側もそれを望んでいると思う、少なくとも僕はそうだ。
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