エスター ファースト・キル(2022)
前作「エスター」の大大大ファンである私は、続編が公開されると聞いて胸を踊らせていた。喜び勇んで一人映画館へ。成人したイザベル・ファーマンがエスター役を続投する、第一作目の前日譚という情報のみ仕入れて鑑賞したが、意外すぎる変化球をくらい、そうきたかぁ〜と唸りながら帰宅することとなった。
<ざっくりあらすじ>
とある精神病院から脱走した女性リーナ。ホルモン分泌異常により外見が幼い彼女は、行方不明の少女エスターになりすまし、とある家庭に潜入する。ところがそこに住む家族は大きな秘密を抱えていた…
<感想>
※以下ネタバレを含みます※
まず始めに伝えておきたいのだが、私はてっきり、この映画はエスター(リーナ)が自身の疾患と向き合う中で苦しみ、あの猟奇性を身につけて覚醒するまでの話だと思い込んでいた。違った。冒頭から狂っていた。もうなっちゃってんじゃん!と盛大に心の中で突っ込んだ。
以下に私の心の叫びを書き連ねてみる。
私は1のエスターという人間に興味があったのだ。
"ピアノはどこで覚えたのかな。
絵の描き方は誰に教わったのかな。
芸術に触れている間だけ、彼女は等身大でいられるのではないか。
よく口ずさむThe glory of love にはどんな意味が?(とても素敵な歌詞だ!)
きっと恋愛に憧れているんだろう…
父親にアタックするため精一杯大人びたメイクや服装をするエスター。
拒絶されると初めて涙を見せる。恋する乙女そのものではないか。
手帳には好きだった男性たち(おそらくご逝去されている)の写真を大切に挟んでいるピュアなエスター..."
見れば見るほど彼女がが愛おしく、1のラストで(死霊館シリーズでお馴染み)ヴェラ・ファーミガ演じる母親に、首を蹴り折られて死んでしまったエスターが不憫でならなかったのだ。
私のほとばしる情熱は一蹴されてしまった。
冒頭からキレッキレのリーナ。
何なら1の時より狡猾だ。こんなに容赦ないなら1の兄弟(ダニエル&マックス)が生きていられたのが奇跡ではないか。
そしてたどり着いた家族の母親は、息子を庇うために娘をやっちゃうヤバいやつ。
なるほどね。サイコvsサイコってことか。
伽耶子vs貞子みたいな、エイリアンvsプレデターみたいな…
雑に扱わないで!エスターだけに注目して!!(泣)
思わず取り乱してしまったが、今回もまた切なく終わっていくラストは哀愁があってよかった。あ、今作の父親に教わったブラックライト画法はしっかり習得したようで、後日譚となる1で素敵な壁画を披露してくれている。
前作のエスターが好きだった方は観て損はないと思います。
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