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法輪功迫害25年 大阪・京都パレード 議員「反迫害への日本の支持、中国にも伝わる」

中国共産党による法輪功への迫害は今年で25年目となる。米当局や人権団体の記録によれば、弾圧はなお続いており、不当な逮捕、拘束によって数千人が被害を受けている。こうしたなか、7月14、15日、日本在住の法輪功学習者は「反迫害」をテーマとして、大阪、京都で集会やパレードを行った。

大阪でパレードを行っている様子(大紀元)
パレードを先導する天国楽団(大紀元)
京都でパレードを行っている様子(大紀元)

集会では議員がスピーチや送付メッセージで、中国共産党による迫害の非人道性と、弾圧政策の不当性を指摘した。パレードでは多くの市民が立ち止まり、隊列が掲げるプラカードや横断幕を見つめ、反迫害活動にエールを送った。

人類史上類を見ない犯罪行為

14日のパレード前の集会で登壇した中山泰秀前衆議院議員は、拘束された学習者は「『健康な体だから』といって、臓器を取られてしまうリスクがある。これは大問題ではないか」と強調した。

また法輪功の理念とする真、善、忍は、徳育に通ずると見解を述べつつ、こうした良心が弾圧で苦しめられていることに日米を含め懸念することは当然とした。

パレード前の集会で登壇した中山泰秀前衆議院議員(大紀元)

「隣国のことだといって、気にならない日本人はいないと思う。国際貿易によって多くの国は中国と取引がある。その相手国が人権蹂躙や、臓器狩りといった異常な事態になっているのであれば、取引制限といった発想も、経済人にはあってしかるべきではないか」とした。

石橋林太郎衆議院議員は、集会に寄せたメッセージで、激しい弾圧が現在進行形で、25年も続いていることに驚きと怒りを表明した。

山田宏参議院議員もメッセージを通じて、日本政府は中国共産党政府に対して強く抗議の声を上げ、一刻も早く、迫害行為をやめさせるための行動を取るべきだと訴えた。

パレードを先導する天国楽団(大紀元)

集会で登壇した木下吉信大阪市議会議員は、反迫害の活動を内外に主張していくことが大事だと指摘。そして、日本側から「しっかり応援を受けている、このことを中国の人々に知ってもらいたい」と表明した。

真、善、忍の原則に基づく伝統的な精神修養法である法輪功(ファールンゴン)は、中国吉林省長春で1992年に伝え出された。その心身の健康への高い効果により、中国では人づてに広がった。中国国家体育局によれば、1998年には7000万人あまりが法輪功を学んでいた。

法輪功が説く道徳や伝統文化の重視、そして人気は、無神論・独裁で統治する中国共産党政権には脅威に映った。当時の中国共産党党首・江沢民は権力がゆさぶられることを恐れ、1999年7月20日に弾圧を指示。拘束や死に至るほどの拷問のほか、結婚や就労、学業の制限、官製メディアによる誹謗中傷プロパガンダなど、全土規模であらゆる手段が取られている。

法輪功迫害による被害者もこの日、登壇した。日本在住の団体職員で中国出身の張一文さんは、中国に住む母親が今年4月11日に陝西省宝鶏市警察に不法逮捕された。以来、家族との面会が断たれている。

母の釈放を求める張一文さん(大紀元)

パレード前の集会で、張さんは、「母は一切悪いことをしておらず、中国の法律に違反することもしていない。1999年から今まで25年間、逮捕と釈放の繰り返し」と述べた。張さんによると、4月に宝鶏市で9人の学習者が逮捕された。「法輪功学習者は健康なので、臓器狩りの対象にされるかもしれない。早く救出するために、ぜひ力をお貸しください」と訴えた。

張一文さんの母の釈放を求める横断幕(大紀元)

観光で京都を訪れた マレーシア人のNadunさんは、「表現の自由は保たれるべきだ。彼らは何も悪いことはしていないはずだ」と述べた。「(真、善、忍の理念という)道徳的な原則は何があろうと保たれるべきた。もし誰かが悪意を持ってコントロールしようとするなら、それは阻止すべきだ」と語った。

パレードを見ていた日本人の男性はなぜ中国で信教の自由が認められないのか理解ができないと述べ「頑張ってください」とエールを送った。

法輪功の良心が利用される

法輪功のウェブサイト「明慧ネット」では、1999年から今日までに迫害による死亡事例が少なくとも5088件は確認されている。

長春解放軍軍需大学元教員の楊貴遠さんは法輪功の信仰を理由に拘束され、全身を縛られる、睡眠させないなどの拷問を受けた。退職を強いられ、博士号を取り消された。住宅を収用され、年金もなくなった。

インタービューを受けた楊貴遠さん(大紀元)

楊さんによると、迫害が始まった2000年前後、多くの学習者が北京の陳情所に赴いた。法輪功に関する陳情をすることで、家族や親戚、勤務先、地元当局関係者が罰せられるため、身元を明かさなかった。周囲へ迷惑はかけまいと配慮したのだ。

しかし、中共はこの良心を利用した。身元不明者の長期拘束は容易で、強制的な臓器摘出のターゲットになった。

3日の記者会見で、記者団に上半身左側の縫合された傷跡を見せる程さん(明慧ネット)

中国出身の法輪功学習者・程佩明さんは3日、米ワシントンで開かれた記者会見で、拷問を受け、臓器を摘出された実体験について語った。

程さんは2015年に中国を離れ、2020年に米国に到着した。「診断の結果、肝臓と肺の一部が摘出されたことが確認された」と語った。

世界で動き始めた

25年間、国際社会は法輪功への支援を続けてきた。6月25日、米下院は全会一致で「法輪功保護法案」を可決。この法案は、中国国内で臓器摘出に関与する個人や組織に、制裁を科すことを定めている。

米国務省は人権、宗教の自由、人身取引の各年次報告書でも法輪功の迫害や強制臓器摘出に関して言及している。

現在の台湾総統である頼清徳氏も2019年に、法輪功への支持を明言している。「法輪功を支援することは人権を守ることだ。台湾は民主主義陣営の一員としての立場を堅持し、共産主義勢力の拡大を阻止するとともに中国で民主主義を推進すべきだ」と述べた。