【同質性と異質性】12年前の外資系HRディレクター時代の直属上司との再会 - そこでの大切な振り返り
私のキャリアで特に記憶に残る節目は、12年前に、英系FMCG(日用消費財)企業からお声掛けをいただいた時です。それは、私にとって、初めてのHRトップへの挑戦機会であり、偶然にも、当時の直属上司である Stefan Gaa さんにとっての初の日本法人社長への就任タイミングとも重なるものでした。
「Ambiguity(不確実で曖昧)な環境下で、いかにAgile(俊敏)に動けるか」が重視され、完璧は求めずスピードとコラボレーションと結果にこだわり突き進む... そんな日々の連続を一丸となりサバイブしたからなのか、Stefanに限らず、過去の職場でご一緒した複数の社員の方々とは、今でも親交が続いています。
そんな皆さまには、幾つかの共通点があると感じます。
まずは、世代・価値観・専門性(営業・事業・マーケティング・デジタル・PR・ファイナンス・HR など)が多様で、もともとは『異質性』が高いことです。次に、お互いの「人となり」と「仕事ぶり」双方を知ったうえで、環境が変わることで、親交を深めていることです。そして、「過去」に同じ組織で共にした時間がありながらも、再会の場では、「今」を大切に共有し合えていることです。
例えば、趣味を共にする友人たちとは、「ポジティブなコト・トキを、ポジティブな感情を軸に共有」することから始まっています。組織開発やコーチングなどのコミュニティの方々とは、「同じ専門性のなか、近しい課題に向き合い、知恵を共有」することから始まっています。いずれも、思考的に『同質性』が高い中で、有意義な時間を共にしています。
一方で、グローバル企業の組織においては、そもそも、世代・国籍・価値観・専門性・思考など、「みんな違って みんないい」という『異質性』ある集まりの中で、『挑戦』と『結果』を求めることが大前提にあります。そのうえで、完璧は求めず瞬時に動き、コンフリクト(健全な衝突)を起こし、革新的なことや圧倒的な行動と結果を出すアジリティが絶対的に必要とされます。その環境に加えて、私の場合、直近3社では、HR責任者という、全社をけん引する重責を持つ身として、社員の方々からは見えない壁があったことでしょう。様々な要因で、その後に関係性を築くには、障壁が高い状況に自ずと置かれていたのかもしれません。
にもかかわらず、別々の道を歩んだことを機に、20~50代と世代を超えることはもちろん、当時の役職という、外の世界では価値を伴わない枠など簡単に取っ払って、『個』としてお互いを必要とする関係性に進化するって、尊いな... と思います。
昨年春に起業した際、これ程までに多くの当時の社員の方々や部下だった方々が、『個』として求めてくださるとは、想像していませんでした。さらには、私にお仕事を依頼してくださったり、お仕事で再度ご一緒したりと、良い驚きです。『異質性』のなかで出会い、職場・役職の枠が外れることで、本来の『個』を深く知り、関係性に深みが出る方が多いことに、感銘を受ける毎日です。
先日、コロナ禍以降、久々のお誘いをいただき、Stefanと再会し、そのような自身の現在地を語りました。「HRトップという難しい立ち位置にいたにもかかわらず、常に、インテグリティ高くあり続ける姿があったからこそ、今につながっていると思うよ」と温かいメッセージをいただき、本当に嬉しかったです。
この1年間で再会できた多くの方々の顔を思い浮かべながら、とても大切な振り返りの時間にもなりました。それは、人生に彩りを与えてくれることだと、感謝の気持ちで一杯になります。これからも、自分らしさと周りへの感謝を大切に、日々、前進してまいります。皆さま、いつもありがとうございます。
Stefan - It was so lovely catching up. Please stay in touch and have a drink nearby!