年末特別企画 ベイスターズの来年の先発事情を考える回

せっかく年末年始暇なので、巷で頭数が足りないなどと言われているベイスターズの先発事情について軽く考えてみました。

今年のシーズン中に書いた展望と合わせて読むとよりわかりやすいかも。

まず基準を策定しておきましょう

Aランク
25登板、規定投球回(143イニング)達成を期待したい投手。ローテの核になる枠

Bランク
15登板、75イニング達成を期待したい投手。いわゆる裏ローテ以上の枠

Cランク
5登板、25イニング達成を期待したい投手。1軍デビューやローテ間の登板に期待の枠

といった形で見ていきます。

2025 Aランク期待枠



(2024→183イニング、2023→172.1イニング、2022→50.2イニング)

ジャクソン(2024→143イニング)

ケイ(2024→136.2イニング)

2024年にローテの核を担った3人がこの枠。まあ彼らがこれくらい投げてくれないと流石に詰みではあるので特に言うことも無いでしょう。このレベルの先発投手が離脱したらどのチームも苦しいので、考えるだけ無駄だと思います。

は奪三振率などの兼ね合いで投球の質こそ他球団の超エース級には劣るものの、イニングイート力は球界屈指で間違いなくチームのエース格。今年は全体通してちょっと平均球速が落ちたりしていたという懸念はあったものの、終わってみればチームトップの貢献度。契約更改では来年の目標が200イニング、かつ平均球速147キロを目指したいと言ってる向上心の塊で、ケチ付けるのが恥ずかしいレベルで心配する部分が無い。頼むから健康体で居てくださいね

ジャクソンとケイは二人とも序盤に結構派手めの炎上をするなど適応に不安はあったものの、シーズン通して見ればマイナー時代の優秀なスタッツへの期待に見合った投球内容。三振が取れて四球をそれなりな数に抑えられる投手はいつも偉い。投球内容とか球種構成になんかしら文句言うのも恐れ多いんで、来季以降も良い感じにお願いします。

巨人菅野、阪神(最近はちょっと不調だけど)青柳、広島九里、中日小笠原、ヤクルトのヤフーレ、サイスニードなど、比較的計算出来そうな投手が各チーム抜けていく中、今年しっかり結果を残した3本柱をしっかり来年も立てられるベイスターズ。実は優秀な部分の現状維持って新戦力の発掘と同じくらい大事なんですよということにも目を向けるべきでしょう。

ちなみにこのレベルの投手ですが

2023年→今永(148イニング)、東(172イニング)、バウアー(130イニング)

2022年→今永(143.2イニング)、大貫(136イニング)

2021年→今永(120イニング)、大貫(112イニング)と上位二人すら規定割れ

といった感じで、先発の核が3枚以上揃っていた年なんてベイスターズの過去3年見ても2023くらいしか存在しない、2023も上の3人以外はそこまで投げてないので、今年の3本柱が全員残留してなお足りないとか言ってるのはそもそも見る側が思い上がりすぎだよね。という側面もあります。少なくとも上3枚だけなら他球団と十二分に戦える水準だったからこそポストシーズンも頑張れたわけでね…

2025 Bランク期待枠



大貫(2024→88.1イニング、2023→76.1イニング、2022→136.2イニング)

石田健(2024→32イニング、2023→118イニング、2022→82.1イニング)

平良(2024→29.2イニング、2023→59.1イニング、2022→トミージョン明けでほぼ休み)

石田裕(2023入団、2024→59イニング)

竹田(2024ドラフト1位)

ローテーションの一角を目指してほしいのが上の投手。

大貫は初年度から比較的登板しつつ、2020年からはしっかりローテの中枢として投げていたものの、怪我離脱などもあってか近年直球の平均球速が2キロ近く下がるなどでパフォーマンスが若干悪化し、投球イニングも減少傾向。今も裏ローテの一員としては文句無しですが、CSでの快投で日本シリーズ進出へ貢献したあの試合のように、今一度シーズン通して安定したパフォーマンスを見せてくれれば十二分に4本目のコアとなり得るため頑張ってもらいたいところ。

石田健は直近2年ローテの一角になり得る投球をしていたものの、今年は6月左肩肉離れにて離脱。あの試合普通に投げようとしてたけど頼むから無茶して投げるのはやめてくださいお願いします。

本来離脱さえしなければ規定投球回の半分、15試合程度は当然投げてくれる選手なので、4年契約の2年目というのもありこのくらいは期待して当然でしょう。

平良拳太郎はシーズン通して稼働したことは無いものの投球の質はかなり高く、トミージョンを経験するなど直近数年で投げられていない部分にも情状酌量の余地はあり。今年も怪我離脱により期待していたほどの成果は残せなかったものの、投げられさえすれば間違いなくチームトップクラスの結果を残すという形で、11登板、59.1イニング投げていた2023年を超えるくらいの結果を期待したいところ。

石田裕は昨年の投手事情における一番の嬉しいサプライズ。シーズン序盤にしっかり2軍で投げつつ中盤からの1軍デビューで60イニング近くを担ったのはドラ5としては十二分すぎる内容。来年以降はシーズン序盤からのローテ争いに加われそうで、パフォーマンス面の懸念などはあるものの伸びしろも考慮すればこの枠に収まるべきでしょう。

竹田は本年度のドラフト1位。目玉であった金丸の次点として社会人No.1評価から即戦力として獲得され、チーム事情的な観点から見てもまずローテーションの一角くらいの期待はされているはず。アマチュアドラフト有識者?をしばき倒し回せる程度の大車輪に期待したいですが現実的にはこの枠でしょうか。

チームの底上げという意味ではこの面子から一人でもAランクに近いレベルの投手、あるいは3人くらいが期待通りに75イニング程度投げてくれるかが目安になってくるでしょうかね。

個人的には頭数の話とかする前に、彼らが真っ当にローテーションの軸になれることに期待する、あるいはその辺り検討する方が建設的だと思いますが、そんな話があまり出ていないのが納得いかんところ。足りない足りないと騒ぐのは良いですが、まずちゃんと既存選手がどんくらいやれるのか考慮してから語るべきだと思います。個人的には目茶苦茶悲観するでもなく結構やれると思うんですがね。

2025 Cランク期待枠


吉野、伊勢、中川颯、庄司、森唯、篠木、若松
(武田、小園、森下、松本隆は二軍で投げつつの伸び次第、深沢はTJからの復帰次第で)

頭数の話をするならこの面子との兼ね合いになるでしょう。

本年度一軍でも数回先発として登板し、来年以降への見通しが立ち始めた吉野は今年のイニング数的にこの枠に入れたものの、是非ローテーションを目指してもらいたい立ち位置。

中継ぎからの転向を目指す伊勢は直近の投球パフォーマンスからそこまで大きな期待は出来ないものの、当人が3本柱に匹敵するパフォーマンスを目指すと公言しているので是非応援したいところ。

中川颯は先発やるんすかね?中継ぎやるんすかね?打席も見たいから困るよな。

庄司はファームで日本一に貢献する107.1イニングの消化。年齢的にも伸び代次第では来年以降それなりに1軍で投げてるかも。

痒いところで定期的に穴を埋めてくれた森唯斗。来季以降もタイミング次第では出番がありそうなポジションなので宜しくお願いしたいですね。

篠木若松はドラフト勢かつ状態や起用が読めないのが何ともですが、即戦力として投げてくれても全然構わないんですよ。あと坂口くんもTJからのリハビリ応援してますからね。

まあ頭数みたいな話で言えばこのように投げられそう+一軍で投げてみてもおかしくない投手は結構居るので、来季そもそも中継ぎやると言ってた濱口が居なくなってどうこうとか、上茶谷が居なくなってどうこうは目茶苦茶気にするほどじゃないだろというのが正直なところ。彼らが目茶苦茶投球パフォーマンス高いとかなら別ですが、ぶっちゃけ直近数年は別にそんなことも無かったし上記で挙げた面子より明確に優先する理由も無いのが難しいですね。

チーム編成的な話をするのであれば、AランクやBランクに該当する優秀な投手が市場から確保出来るなら、投球パフォーマンス的にも枚数的なリスクヘッジ的にもそれに越したことは無かったのは当然の話でしょう。ただ今年の市場だとどうしても高値掴み前提、あるいは保証ありの世界になってしまうため、ジャクソンとケイの残留以上にあまり動けないのはまあやむなし。といったところでしょうかね。

ちなみに2024の市場に出ていた投手ですが
九里→Aかなぁ
石川→AとBの間くらい?
上沢→パフォーマンスが渡米前水準ならA、怪我関係で下がっているならBくらいかなぁ。
福谷→まあCくらい…?
田中→期待する方が厳しいって
ライデル→たっけえ中継ぎ

バウアー→いや断然Aだけど日本来ねえだろ

てなもんで、案の定戦力外組くらいしか気軽に行ける面子もおらず。ウェンデルケンの枠で助っ人投手は取るんでしょうがまあその枠次第っすかね。

というわけでまとめですが
シーズン143試合のうち半分前後は3本柱で担うはず(達成出来なきゃどうせ終わりなのであんまり考える余地が無い)

・中堅所に居る面子からローテーションの軸、あるいは裏ローテ組が複数出て欲しい。少なくとも直近数年の成績だけ見れば全体のうち50試合くらいは賄えておかしくないはずだが。

・登板してほしい若手や谷間で投げられそうな面子はちゃんと枚数居るので、そこが足りないとか文句言っても始まらん。投げられる面子には少ないチャンスをモノにして欲しい。

・優秀な投手を確保して投手層を拡充したかったのは事実なのだが、
上沢は獲得したら色々キレられるしバウアーはどうせ日本来ないと思うべきだしライデルはお値段不相応なので、若干高いけど石川か保証あるけど九里とかワンチャンあれば良かったけどこればかりは仕方ないね。ちなみに一番見たかったのは横から上沢パクるベイスターズだったよ。

・既存投手陣のパフォーマンスを上まで持っていければ他球団の離脱者などを加味して互角になる下地は十二分なので、コーチとかアナリストがんばえ〜といったところ。投手が互角に頑張れれば後は優秀な野手陣が全部ぶっ壊して何とかするチームなので後は宜しくお願いします。

てなもんですね。中継ぎはどうせ居る面子で回すしか無いので考えませんが、なんかあったらまた考えますか。

以上、割とポジティブ寄りな先発投手への見立てでした。ご意見ご感想があれば是非。

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