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備忘録:障害者に関する欠格条項
『障害のある人の欠格条項ってなんだろう?』という本を読んだので備忘録として。
https://www.kaihou-s.com/smp/book/b624253.html
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恥ずかしながら「欠格条項」という言葉を知りませんでした。
なんとなく図書館で目に入ったので手に取ってみたのですが、この本のおかげで法や資格・免許に関する知識も増えたし、新しい視点も得た気がします。
この本の表紙にあるように、「欠格条項」とは資格などを取ろうとして試験を受けるにあたり「精神病だから受験お断り」などの「門前払い」となる法的項目だそう。
近年改正が重ねられたり、国連の障害者権利委員会の勧告により改善もされてきたようですが、まだまだ日本では見過ごされているケースも多いのだそうです。
法律の文言に差別的な言葉が入っているかぎり、就業、就職などへも悪影響が及びますよね。
だから「欠格条項」の課題として本書では、病気や障害に関わる差別的な文言を消すことが挙げられていました。
そして本書で「欠格条項」の課題としてもう一点挙げられているのが、「障害者」がひとくくりに「障害者」として扱われていることです。
障害者は、その病気や状態は人それぞれ。
読み進めていくうちに、一人ひとり合理的に配慮することが大切だということが伝わってきました。
例えばこの本では障害者雇用促進法第36条が挙げられ、事業主が対応する措置のうち下記の「合理的配慮の事例」について書かれています。
・出退勤・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること
・本人の状況を見ながら業務量等を調整すること
「障害者だから」というくくりで決めつけるのではなく、本人としっかり話し合って、お互いが納得するように休暇や業務内容などを決めていくべきだろうという思いが伝わってきました。
このように、
障害者を門前払いしている「欠格条項」を是正すること、
「障害者」を個々でとらえること、
この両方とも大事だということが読み取れました。
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少しだけ感想を。
「欠格条項」を是正してその先にあるのは、健常者も障害者も共に協力しながら生きることだなと思いました。
私は小学校から高校までの12年間、特別支援学級と通常学級が明確に分かれた環境で教育を受けてきました。
つまりお互いに関わる機会がほとんどない環境にずっと置かれていたことになります。
日常で健常者と障害者とが接してこなければ、そのぶん思い込みが先走り、より偏見や差別も起こりやすいのではないかとふと思いました。
この本を読んで見えてきた理想像は、子どもの頃から教室内に支援員と一緒に障害者の子どもが入っていて、みんなが遊び方や学び方をその都度を考え、当たり前に助け合う環境にいること。
こうした土壌で育てば、その後大きくなって働く現場でも、障害者と健常者がよりスムーズに協働できる光景を描きやすいのではないかなと思いました。
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乱筆乱文ながら、頭の中の整理でした。
この本は良著です。
そんなに分量が多くなくて、障害者の方々のエッセイもたくさん入っているので読みやすいです。
また、下記の団体の紹介や法律の一覧も載っていたので勉強にもなります。
DPI日本会議
https://www.dpi-japan.org/activity/kekkaku/
ご興味おありの方はぜひ(^^)
ではでは。