魚に合う黄金色の酒
「灘の男酒、伏見の女酒」なんて言いまして、灘(兵庫)の酒はしっかりとした酸の荒々しさを感じる酒、伏見(京都)の酒は、淡麗でなめらかな酒、これは各々の仕込み水に由来するそうですな。。なーんて、落語のまくらみたいだけど、京の酒処といえば伏見であって、全国的に有名な酒蔵も多い。
でもね、京都と言っても広うございまして、こちらのお酒も京都の酒なんだけど、京都府は与謝郡の酒、与謝郡ってどこやねん?京都の北の端、丹後半島の伊根町っていう港町。そんなところで日本酒造ってるんだねえ。。海から船で直接自宅の車庫〜じゃなくって、船庫?につけられるような昔ながらの家があるところですよ。
この向井酒造さん。面白いコンセプトやラベルの酒を造っておられる。「伊根満開」という銘柄の赤い酒(赤米使用)は結構有名ではないだろうか?大漁旗を模した派手なラベルの代表銘柄「京の春」とかもたまに見かける。
この「豊漁」という銘柄の日本酒は、江戸時代の銘柄を復活させたものらしいが、無骨なラベルとこの酒の色!古酒じゃないよ、一年モノ。お手頃価格だし、この色に惹かれて買ってみた。
「純米辛口無双」とある通りの辛口。純米でこの色なので、米の旨味雑味や芳醇さもあるのかと思いきや、軽くって辛くってという感じの味。飲んでいるとうっすらと米由来の旨味、苦味などが乗ってくる。食中酒ですね。
モダンタイプでもクラシックタイプでも、甘口旨口を飲んできた人には上滑りするような軽さがある。最初は「ちょっとなあ〜」と思ったけど、酒屋のポップに「焼き魚に合う」と書いてあったのを思い出して、早速「鯖の塩焼き」を作って合わせたら、これが素晴らしく合う!
さすが「漁師町の酒」、シンプルな焼き魚、塩味も強めの漁師風にぴったりだ。食事と合わせてその実力を発揮し、食事も引き立てる。
筆者 facebook 2023年4月 投稿記事より抜粋