最近買ったコミックエッセイ4冊
7月〜8月にかけて、フォローしている方々のエッセイ本が続々と出ました。めでたい!
本は基本的に本屋さんで買いたい派なので(店頭に並んでるのを見たい…!)、本屋さんに行くタイミングでまとめて4冊一気買いしました。
帰って本棚に並べると紙質もデザインも書体もそれぞれで、なんとも壮観です。やっぱり紙の本は良いですね。
そして買ったは良いものの、読み終わってしまうのがもったいなくてなかなか読み始められない私。
数年前からなんとなく「何かのコレクター」に憧れがありました。例えば切手とか何かのラベルとか記念硬貨とか、そういうイメージ。
私も何かを集めたいけど特に集めたいものがないな……と手段の目的化も甚だしいことを思っていたんですが、フォローしてる方々のコミックエッセイを集めるのもいいかもしれないな、と思いました。その前に、既にパツパツの本棚をなんとかしないと……。
そんなわけで今回は、この夏買ったコミックエッセイ4冊の感想を書き留めていきます(並びは発売日順)。
4冊って半端ですね…もう1冊なんか買えばよかった。
『ちっちゃなやさしさに、今日も救われてます るしこの子育て日記』(るしこさん)
るしこさんが息子のJr.くんを育てる中で出会った、通りすがりの人たちの優しさを描いたコミックエッセイです。
私は、息子を連れていて通りすがりの人に嫌なことを言われたり、嫌な思いをしたことが何度かありました。ネットでも子連れへの風当たりが強いのを感じたりして、肩身が狭いと思っていました。
ですがこの本を読んで気づいたのは、私も息子を連れているとき、通りすがりの誰かに優しくしてもらったことが確かにあったな、ということ。
私はついつい悪い方にばかり目が言ってしまいがちなのですが、そういう良いことの方を大切に拾っていきたい、と思える本でした。
コミカルな前半も好きですが、私は特に終盤の「じーじとばーば」の話以降が全体的に好きです。一度Twitterで読んでいるのも多いのですがどれもグッと来てしまいました。
あと、るしこさんって今までかなりの数の育児漫画を描かれていると思うんですが、この本はテーマがかなり徹底されていてブレていなかったのがすごいと思いました。私だったら絶対あれもこれもと色々入れたくなってブレッブレになってしまう……
誰かに優しくしたいと思える一冊です。
『よいたん3歳、ときどき先輩。』(まぼさん)
大人っぽいけどとってもキュートな3歳児・よいたんの爆笑子育てコミックエッセイ。
まぼさんは育児アカをはじめた時からコッソリ見ていたのですが、「なんで書籍化していないんだ…?」と思うレベルでどの投稿も面白くて、買わない選択肢がありませんでした。
感想としては、全ページ面白いですね。
よいたんが終始おもしろ可愛いのはもちろん、育児の中で出てくる悩みについても、親としての葛藤や夫婦でどう向き合っていったかが丁寧に描かれています。
そんなまぼさんの考え方や表現が好きだなと改めて感じて、それをわかりやすく伝わるように漫画に描けるのもすごいし、そしてそういう話にもしっかりオチがついていたりするのも流石だなと思いました。
特に「不機嫌よいたんと心のケア」と「初めての母・息子2人旅」が好きです。
サラッと描かれたように見える絵も、表情が絶妙だったり、色選びがオシャレだし、状況描写が的確だったり、登場するアイテムのディティールが細かかったりするのも最高に好きです。こういうのを「抜け感」と言うんでしょうか。
特に細かい一枚イラストや比喩的な漫画表現が好きで、いつも舐めるように見てしまいます。
『嵐を生む双子怪獣 はるくんとあっくん』(さゆりさん)
双子の男の子・はるくん&あっくんのドタバタ育児コミックエッセイ。
双子育児の大変さ、面白さ、可愛さが一冊にぎっしり詰め込まれています。
元気が出る原色多めのフルカラーな上、1ページに4コマ漫画が2本ずつ載っているので、満足感がすごい!
内容としても、大変さばかりを強調するわけでもなく、ギャグとほっこりのバランスがすごくちょうどよかった。これぞコミックエッセイ!って感じです。
はちみつコミックエッセイのレーベルだから、その辺りは編集さんたちの力もあるのかなと思ったりしました。
基本的に楽しく笑って読める一冊で、夜中に一人でニヤニヤしたりグフフwと笑ったりしながら読んでいたら、不意打ちで2回ほど泣いてしまいました。声の小さい旦那さんの話と、「今日も双子怪獣一家」(146〜147ページ)のあたりです。
あんまり泣かせる感じの本ではないかもしれないですが、さゆりさんの家族の形とその描き方が、その時の私にはとても響いたのだと思います。
途中途中に挟まるコラムページも良かったです。
お家の間取りや双子ちゃんの持ち物、育児のお助けグッズなんかが紹介されていて、小さいイラストや実際の写真が載っています。何を隠そう私はそういうページが大好きなんですが、皆さんも好きですよね?こういうコラムがあると「THE・書籍」って感じがしていいですね。
ほら表紙もかわいい〜!!
『ハラヘリ読書』(宮田ナノさん)
古今東西の名作に登場する美味しそうな食べものを、食いしん坊の作者独自の目線で語るコミックエッセイ。(育児エッセイではないです)
私が宮田ナノさんを知ったのは、「コミックエッセイプチ大賞」でした。
一目惚れでした。
どこかノスタルジックなのにモダンな絵柄(デフォルメ効いてるけど絶対めちゃくちゃ絵が上手い人だと思う)、シックな色合い、ユニークな視点やエッセイ作家を彷彿とさせる語り口調にすっかりハマってしまい、受賞作を何度も読みながら、連載をずっと楽しみにしていました。
その後、宮田さんが読書が好きと知り、あのコミックエッセイの語り口の面白さはそういうことだったのかと合点がいきました。やはりインプットの量と質がアウトプット(作品)を面白くさせるのです。
このエッセイでは、名作に対する宮田さんの愛と、洞察力と、ユーモアと、食いしん坊なところをひしひしと感じられました。名作(≒作者)とそこに登場する食べ物と向き合う中で、宮田さんとその作者との対話を見ているような、新感覚のコミックエッセイでした。1つのテーマについて2つ3つの作品が出てくるのも、全く違う作品世界が食べ物を通じてリンクしていく感があってワクワクします。
どの話も好きですが、黒髪の乙女といただく「お酒」の話と、平松洋子さんといただく「果物」の話が好きです。
私が宮田さんを知ったコミックエッセイプチの受賞作も最後に載っていて、最高に満足な一冊でした。ご馳走様でした。
そんな感じで4冊紹介しました。
面白そうだなと思ったものがあったら、是非お手に取ってみてください。
相互の方が書籍を出したり、Twitterをフォローしてリアルタイムで活動を知ることができたり、感想を直接伝えられたり、なんか慣れてしまって当たり前のように思ってしまっていますが、よく考えたらすごいことですよね。
私も時々、いつか書籍を出してみたいな、もし出すならどんな内容が良いかな〜って妄想したりしていますが、わりと楽しいです。
それはさておき、今から会社で受けるTOEICの勉強します(突きつけられる現実)。
それでは。