勝利至上主義とゲームマンシップとスポーツマンシップについて
はじめに
柔道の小学生対象を対象とした全国大会が廃止され、話題になりました。
身体能力の未熟なうちから特定のことに打ち込みケガや障害を抱えてしまうリスクと将来の選択肢を減らすリスクが理由に挙げられたようです。
スポーツに限らず競技では、早くから取り組んで勝利の先の名誉を得ることを目標とする風潮があります。むしろプロスポーツの世界は常識のように思えます。
競技が長年愛され人口に膾炙するようになると、より頂点を目指すことは難しくなりますが、頂点を目指すためならば手段をいとわず、その純粋な目的ゆえにルールを破っても勝利さえ得られれば過去の破天荒な行為は許されるとすらされるのは、暗黙の了解だったと思います。
しかし、スポーツ競技の本質は「勝利を得ること」だけでしょうか。
勝利を得るためなら相手を貶めることすらも許される、一つの戦略として認められ、勝利を得れば人格者とたたえられるなら、小さいうちから競技に打ち込んだほうがいいに決まっていますね。雀百まで踊り忘れずといいます。
そこまで熱狂的になる「勝ちの本質」とは何なのでしょうか。
ここからは、武道も含めたスポーツ競技における「勝ちの本質」と「スポーツ競技の本来の姿」に迫るべく、勝利至上主義とスポーツマンシップとゲームマンシップの3つの視点について考えていきたいと思います。
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