夏の終わり
正確に言えばその時わたしは
潔く彼をあきらめたりとか、潔く新しい恋をすると腹を括ったわけではなかったとおもう。
最初は気を紛らわすためにデートをしてみたり、いろんな男の人と話そうとしてただけで、本気で婚活をしようとかではなかった。
割烹で食事して、高級な車に乗せられて、相手のことなど見ちゃいない。好きだった彼のはなしをしながら
わたしはうんと泣いて泣いて泣いた。
手を繋いでもらって、男の人の身体の温もりみたいなものを思い出したりして
家に帰ったあとは、ほとんど朝まで泣き通した。
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