斜線・逆日影計算のよくあるお問い合わせ
ADSでは、斜線・逆日影計算というボリューム計算の機能があります。
しかし、適切な設定が出来ていない場合、正しい計算結果を得ることができません。今回は、よくあるお問い合わせや、押さえておきたいポイントをご紹介します。
CACE1:実際に日影計算を行った場合と逆日影計算の結果が違う
斜線・逆日影>計算条件を確認します。
計算範囲がデフォルトで「後退無」となっています。
「後退無」とは、建物後退による緩和を行わず、敷地全体を対象として計算する設定です。そのため、実際に計画建物を入力して日影計算を行うと、逆日影計算とは異なる結果となります。計算範囲は他に「辺後退」「建物後退」「エリア後退」の3つがあります。それぞれ、後退範囲を指定して逆日影計算を行うことができます。
【1分解説】ADS10の操作方法
https://www.youtube.com/playlist?list=PLxTu7SGaf9L2K3Gx6uslMGXBLXQXxGCrg
「後退無」と「建物後退」で実際の計算結果を比べてみます。
結果が大きく異なりますね。
「計算範囲」を使いこなし、ぜひボリューム計算にお役立てください。
CASE2:2以上の日影領域がある敷地の、逆日影計算の結果がおかしい。
日影規制領域が2以上にわたる場合 、日影規制分割線上の計算を行う必要があるため、日影領域の数だけ計算を実行します。ひとつの領域のみ計算しても、正しい結果にはなりませんのでご注意ください。
【操作方法】
「計算ライン」プルダウンメニュー より 、「内側+外側+分割」、「内側+分割」、 または 「外側+分割」の何れかを選択します。
2.「日影領域選択」コマンドを選択し ます。
3.平面図 より 、日影規制分割線上の計算対象となる日影規制領域を選択します。
4.「計算」を選択します。
5.「基本条件」 プルダウンメニュー より 「再計算する」を選択します。
6.「日影領域選択」コマンドを選択し ます。
7.3 で選択した日影規制領域以外の日影規制領域を選択します。
8.「計算」を選択します。
全ての日影領域の計算を行った結果が、最終の結果となります。
CASE3:斜線・逆日影計算で逆天空率計算は可能?
ADSでは、建物が入力されていないところからの逆天空率計算はできません。斜線・逆日影計算は、通常の斜線制限(道路・隣地・高度・北側)と日影がクリア出来るボリュームを算出します。
また、「ナビ」や「自動カット」は、予め入力済みの計画建物において天空率計算を行い、不適合の場合にクリアするための建物形状を求める機能です。
何もないところからの逆天空率は、新ソフト「天空率空間」にて計算が可能です。是非ご活用ください。
■天空率空間 ver.1.01.014 2024年10月1日リリース■
https://www.epcot.co.jp/products/tenkukan.php