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case2)戸建ての設計ばかりだから、天空率はいらないですよね...?


容積率の消化は、天空率制度利用の大きなメリット
しかし、それだけではありません!

天空率制度は、従来の斜線制限を超えた計画が可能となり、中でも最も有効となるのが容積の消化です。
確かに、斜線制限のみでは容積率が消化しきれないケースは多くあります。特に一定規模以上の集合住宅に大きな効果が表れ、天空率制度を使うことで斜線制限のみの空間よりは確実に容積+αが望めるので、天空率は容積の消化に有効的と言えるのかもしれません。

それに対し、戸建てや低層建築物では、容積が消化しきれないケースというのはそれほどないため「戸建てや低層建築物では天空率は使えない」というイメージができ、
戸建て・低層建築物ばかり設計しているからは、天空率は不要でしょう…?
と考える設計者もいらっしゃるかもしれません。
しかし、戸建て・低層建築物でも天空率を有効活用できる場面がたくさんあることをご存じでしょうか。


戸建て・低層建築物でも有効的な天空率

天空率制度を有効的に活用できるのは、大規模建築物だけに限りません。斜線制限内でなおかつ容積も満たした計画だったとしても、従来の斜線制限空間を超えた計画が可能となる天空率制度を利用することで、こんなことが可能になります。


1)階高を高くすることができる

階高を高くすることができます。
狭くても天井が高いと豊かな空間が生まれます。

天空率制度を利用して階高を高くすることも可能に


2)屋根の形状・勾配を変えることができる

天空率の利用で斜線で決まっていた勾配を考えずに済み、希望の屋根形状にすることができます。
道路方向に屋根勾配がかかり、かつ道路側の室内空間が斜線制限に依存して
いるケースを回避するのに有効です。

斜線制限で決まってしまった屋根形状も、天空率ですっきりしたデザインに


3)ルーフバルコニーが広くとれる

斜線制限の勾配で決まっていたルーフバルコニーの手摺を、天空率でクリアできる位置まで広げることができます。

斜線制限で決まった手摺の位置を、天空率でクリアさせ広いバルコニー取ることも可能に


4)外に収めればならなかったプランを内部に取り込むことができる

天空率で室内を広く取り、屋内ガレージやインナーテラスを設けることも可能になります。

施主の要望も天空率で空間を広く取ることで可能に


「天空率ありき」ではじめるプランニングは、武器になる

天空率制度は、単なる容積消化だけが目的ではなく、外観のデザインやあらゆる部分で従来の斜線制限では得られない空間を得ることが可能となります。

実際、弊社の天空率解析請負サービスでは、住宅メーカー様から上記のようなケースで天空率解析の依頼を受けることが多くあります。

また、天空率を必ず使うということではなく、天空率により得られる空間を事前に把握しておくことで、施主からの多様な要望に対して臨機応変な対応が可能となります。
コンペ等、複数の事務所からの提案がある場合にも、天空率を利用したデザインの提案が可能となりますので、「天空率ありき」でプランニングできることは設計する上で武器となるでしょう。



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