【無料】パチンコメーカーの2021年3月期第3四半期決算まとめ
この記事は
特に記載が無い限り、単位は百万円です。販売台数はPS合わせての数字で、1万台以上のものは個別に記しました。
平和
総販売台数・42,613台
(うち、ルパンマモー/16,040台・戦国乙女6/14,564台)
純利益、包括利益で赤字転落。
平和の事業は遊技機とゴルフ場の二本柱です。遊技機はともかくクラスターの発生しているゴルフ場経営が足を引った。
・・・・・・って思うじゃん?
●遊技機事業●
売上高・182億円(前年同期比-61.6%)
営業益・▲39億円(前年同期比---)
○ゴルフ事業○
売上高・578億円(前年同期比-13.4%)
営業益・78億円(前年同期比-29.5%)
赤字なのはパチンコパチスロの方です。
ゴルフ場も前年割れしているものの黒字を保っており、売上高だけを見たら平和は完全にゴルフ場主体の会社。かつて石橋社長(当時)がPGMを買収したとき、大勢の開発者が平和を去りました。
いわく「俺達はゴルフ屋じゃない」と。
しかし、石橋氏の先見の明は確かだった。ゴルフ事業は確実に平和を支えています。
地味にルパンが乙女に抜かれそうなのも注目かな。
藤商事
総販売台数・36,600台
(うち、禁書/17,000台・リング7日間2/11,900台)
ひどい赤字です。37,000台近く販売してもこれほどの損失になるのですね。5年ほど前までの藤商事は低コストな甘デジをリリースして底堅い利益を重ねてきました。
しかし最近は、禁書にせよリングにせよフェアリーテイルにせよ、お前どんだけ原価かけるんだよという仏壇枠に力を注いでいます。
さすがに仏壇枠で赤字だと言うつもりはありませんが、これくらいのコストは吸収できる、これくらいのコストは台あたりにすれば大したことはない、これくらい、これくらいと言ってるうちに、高コスト体質は体脂肪のように張り付き、落ちにくくなるものです。
なお、オール赤字の藤商事ですが、自社の動向やメーカーの動向よりも先に、ホールの頑張りを伝えていました。
これは好感を持てる!
ていうかこの一文を見て同社の株を購入しました。頑張れ藤商事。
SANKYO
総販売台数・39,447台
(うち、フィーバークィーンⅡ/12,200台・エヴァ決戦~真紅~/14,500台)
売上、利益とも大きく減らしたものの黒字をキープ。1,000億円もの現預金、1,150億円もの有価証券に対し、流動負債はわずか66億円弱。現預金は290億円も減少していますが、その全ては手形及び買掛金の決済に充てられています。実質無借金経営を続けており、おみごと。
にしても、42,600台の平和、36,600台の藤商事、共に遊技機事業は赤字なのに、なんでSANKYOは39,400台で40億円もの黒字を出せるんだよと。
詳細までは探りようもありませんが、販売台数の1/3をフィーバークィーンが占めていることと無関係ではないでしょう。だってあれ、ルパン三世やとある魔術の禁書目録に比べ、どう考えたって安上がりじゃん。
「稼げる定番機種」を持ってるメーカーは強いなと思いました。
セガサミー
総販売台数・102,600台
(うち、北斗無双3/43,741台・パチンコエウレカ/10,223台・Sは3機種で11,862台)
本業の利益を示す営業利益は半減ながらも135億円の黒字ですが、純利益、包括利益で赤になりました。配当も40円から30円に引き下げとなりました(100株購入すると年間3,000円の配当)。
何か特別損失でも出したかなと調べてみると・・・・・・。
ゲーセン閉鎖・▲191億円
希望退職者募集・▲92億円
という、なんともしょっぱい話が出てきました。そういや希望退職募集してたよね。以前コンペでゴルフをご一緒した方も希望退職に応じていました。
なお、サミーも平和と同様、遊技機事業の不振を他のセグメントでカバーしています。
●遊技機事業●
売上高・373億円(前年同期比-56.8%)
営業益・▲82億円(前年同期比---)
○エンタテイメントコンテンツ事業○
売上高・1,676億円(前年同期比-9.9%)
営業益・299億円(前年同期比+75.9%)
エンタテイメントコンテンツ事業とは何!?
ゲームはコロナによる巣ごもり需要で大きな利益をもたらしました。家庭用はマリオ&ソニック、Total War、Football Manager、ペルソナなど。ソシャゲはリゼロやプロジェクト世界&初音ミクなど。
家庭用ゲームは国内と海外の販売比率が半々となっており、ゲーセンはダメでも「セガ」はしっかりとグループを支えています。
ユニバーサルエンターテインメント
販売台数・139,152台(1年4期分合算)
(うち、絆2と沖ドキ2で10万台超。はーです/12,000台。Pは10,698台)
他社は四半期決算なので第3四半期のみの販売台数ですが、ユニバは通期なので一年分全機種の合算となっています。
絆2と沖ドキ2だけで10万台を超え、サンダーVライトニングとアナターのオットはーですも好調なセールスとなり、スロットだけで約13万台と強さを見せました。
遊技機事業だけを見たら203億8,200万円もの黒字です。
ではなぜ192億円もの純損失となったかというと、IR事業(統合型リゾート・カジノ・オカダマニラ)の損失。建設に伴う減価償却費だけでなく、コロナによりカジノ収入は大きく減少。ロックダウンにおける雇用で人件費も重なり、遊技機の黒字は綺麗に吹き飛びました。
見方を変えれば、ホールが沖ドキ2に支払った機械代はフィリピンに消えてるんですね。切ないなんてもんじゃないな。
オーイズミ
販売台数・不明
販売台数は公式に発表されていませんが、第3四半期にリリースされたのは「ひぐらしのなく頃に祭2」だけであり、増産分を入れて1万台近く行ってるようです。
とはいえ1万台で10億円もの営業利益を出せるはずもなく、セグメントごとの売上高と損益を見てみましょう。
●遊技機事業●
売上高・56億1700万円
営業益・7億800万円
○不動産事業○
売上高・5億8500万円
営業益・3億1300万円
■電気事業■(ソーラー)
売上高・7億3500万円
営業益・2億9000万円
□コンテンツ事業□(ゲーム・アニメキャラ企画制作)
売上高・7億4600万円
営業益・▲1000万円
・食品事業・(こんにゃくゼリー)
売上高・17億7000万円
営業益・1億900万円
※酒造事業※(清酒・妙高山)
売上高・9100万円
営業益・▲1500万円
もはや何屋だか分からないwww
失敗すると言われたソーラー事業も大きな利益を出していますし、なんつったってこんにゃくゼリーだよ。1億円の利益て。しっかりグループを支えています。赤字の妙高酒造は最近買収したらしい。
調べてみて思ったんですが、めっちゃ面白いね。各社とも特徴ありすぎでしょ。特にオーイズミよ。どうなってんだこの会社。せんちゃんスゲぇわ。
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