【10月1本目】自民党総裁選の「面白み」を伝えたいコラム
自民党の岸田文雄氏(以下、敬称略)が新しい総裁に指名されました。4日には組閣を行い、国会で新しい内閣総理大臣に指名されます。マスコミを見ていると「代わり映えしない」のオンパレードですけど、まだ「自民党の」役員しか決めてないのに批判するのはいかがなものかと思うのですね。
今回の総裁選は非常に面白かった。
そして今、日本の政治はとても面白い。
この面白さを共有したいので、今回は政治ネタです。
自民党総裁選の醍醐味
自民党のトップである〝総裁〟を決める選挙のこと。昭和の頃は「わが派閥の親分を総理総裁にする」という、血で血を洗う戦いです。
実弾(現金)とポストが飛び交う、日本最大の権力闘争。その生々しさこそが自民党総裁選の醍醐味でした。
現在の派閥は、国政選挙における立候補者推薦機能も集金機能も削がれてしまったため、かつてのような権力闘争は鳴りを潜めました。自民党所属の国会議員と、自民党の党員が投票する形で、自民党の党員は年会費を払うだけで一般人でも会員になれますから、割とクリーンになったと言えますね。
選ばれた総裁は総理大臣になれる・・・・・・というわけではなく、村山政権(社会党)時の河野洋平や、鳩山政権(民主党)時の谷垣禎一は、総裁だけど総理になれませんでした。
つまり、総裁=総理 ではありません。
もっとも、次の衆院選挙で立憲民主党が自民党に勝って政権交代を起こすのは難しいため、事実上、自民党総裁は総理大臣になります。「大統領選挙のような直接選挙感」を味わえるのは党員の醍醐味かも。
今回の総裁選は、自衛隊は国防軍にすべしとする高市早苗から、靖国参拝なんてとんでもないとする野田聖子、エキセントリックな河野太郎から関係調整型の岸田文雄と、ものの見事にタイプの違う候補者が揃いました。
それらが一歩も譲らずガチバトルをやったのは、他の政党では不可能な面白みであったと言えるでしょう。
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