残酷な選挙のテーゼ

この記事は

・来夏の参議院議員選挙において、全日遊連の阿部恭久理事長(以下敬称略)が自民党の公認を受け立候補することになった。著者は彼のことをよく知らないし、彼をよく知る人間も彼を大っぴらに語ろうとしていない。そもそも立候補情報が流れて5日を経過した今もなお、本人の口から何も語られていないのだ。そんな今だからこそ、業界内議員としてあるべき姿、国会議員として求められる素養について語りたい。


知らないなら語るな→知ってると語れない


僕は四半世紀も前からずっと「知らないなら語るな」と言われてきた。

新台レポート時代はメーカーから。イマルネットやアメブロではホールから。「ならお前がやってみろ」と、数限りなく言われ続けた。

しかし今。周りを見ると、知らないなら語るなと言っていた人ほど業界を見限り去っていった。彼らはロクに語ることもなく、「自分は知ってる」という承認欲求をバラまいて去っていった。

「知らないなら語るな」というなら「知ってる貴方が語りなさい」と思うのだが、彼らは隠す。なぜなら自由に語ると干されるから

ちょっとでも中枢に近付いた人なら分かるでしょう。「絶対に言わないでね」「LINEグループとかほんとダメだから」みたいな話はいくらでもある。知らないなら語るなと苛立つのは、知っていると語れない苛立ちの裏返しなのだ。

知っても知らずとも語れないならば。

遠慮せず語っていいよね。うんいいよ。

おいしい仕事を受け続ける人は本当にうまいよ。苛烈なことを言ってる風を装い、キーマンの名前は出さないし、批判もしない。

そんなことを何十年も続けてきたから、パチンコ業界って情報の通りが悪いんだよね。鼻炎みたいなもので、時々漏れる鼻水(情報)をみんなで舐め取ろうとしてる。パチンコ性鼻炎。

尾立源幸、木村義雄と、2度の敗戦を経てもなおパチンコ業界は鼻水を垂れ流してる。本人達は鼻炎であることすら気付いてないけれど。

そんなわけで、鼻汁をすする趣味のない人間としては、国政へ挑む者の資質を論じてみたい。文章が固くなってしまうのはごめんね。

気に入ったら「いいね(ハートマーク)」をください。XやFacebookで紹介してくれたら、嫌われる価値もあったってもんです。


世界は今、公開処刑文化になった


まさに今日、韓国の大統領に逮捕令状が発行された。朴槿恵の逮捕時も驚いたけど、あれは罷免された後であり、一般人になってからの逮捕だったと記憶している。今度は現役大統領の逮捕なのだから、韓国政治のダイナミズムには驚かされる(褒めてはいない)。

SNSの発展により、選挙で意外な候補者を押し上げる光景は日常的になった。トランプ大統領は言うまでもなく、日本でも都知事選の蓮舫落選と石丸旋風が起きた。兵庫県知事選の逆転ムーブメント、国民民主党の大躍進などもそう。

善者と悪者を雑にカテゴライズし、エコーチェンバーの中で選挙をひっくり返す。

そのエコチェンは一つではなく、気に入らなければ別のエコチェンへ移り、再び熱狂し、怒りを振りまき、敵を高く吊るし上げ、公開処刑する。

正義の執行は魔女裁判に似ており、自身を善の側に置けるため止まらないのだ。

そんな時代において、政治家に必要な素養とは何だろう。


政治家に必要なのは〝高潔さ〟


近代思想史を専門とする倫理学者の先崎彰容は「政治家に必要なのは、ある種の高潔さである」と喝破した。

政治とは言うまでもなく、権力を取るための多数派工作だ。そこには実弾も飛び交うし、相手への誹謗中傷も放たれる。しかし面白いもので、どこかに高潔さを持っていないと誰もその政治家へついていかなくなるのだ。

パチンコ業界内では許される振る舞いでも、政治の世界ではフルボッコだと、素人の我々でも容易に想像できる。

仮に、メーカー社長とヘリでゴルフに行くようなタイプなら、吊るし上げられた挙句、業界全体の品位を下げ、人材を集めることもままならなくなるだろう。

叩かれやすい業界であるからこそ、パチンコ業界の族議員は高潔であらねばならない。

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