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日経平均株価・史上最悪の暴落はなぜ発生した? 何が問題? NISAは?
この記事は
・8月5日の東京株式市場は、値幅ベースでブラックマンデーの翌日を超え、史上最悪の大暴落となりました。なぜ暴落は発生したのか? 何が問題だったの? 始めたばかりの新NISAはどうすべき? 超わかりやすく(若干偏見も交え)解説します。
その日、東京市場は血に染まった
東証プライム上場企業1646社のうち、値下がりしたのは実に1625社。値上がりはわずか14社で、変わらずは7社。まさに〝全面安〟でした。値上がりを緑、値下がりを赤で示すヒートマップを見ると一目瞭然。
普段のヒートマップはこんな感じ。
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日経平均株価 -258円(前日比▲0.74%)
それなりの下落
8月5日はこんな感じでした。
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日経平均株価-4451円(▲12.4%)
史上最大の下落
日本を代表する大型株が次々とストップ安(急激な値落ちを防ぐための制限値幅)まで売り込まれ、まさに打つ手なしの阿鼻叫喚。
東証の全市場でストップ安は797銘柄に達し、ブラックマンデーを超えたのです。
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なので日本は火曜日
翌日に値を戻したブラックマンデーと違い、今回の下落は三日間にわたり継続し、その最終日にトドメとして大きく下落した。
三日間の下落総額は、なんと7643円40銭。
ブラマンの下落率 -14.90%
8/5のみの下落率 -12.40%
三日間の下落率 -19.55%
1987年のブラックマンデー、1990年のバブル崩壊、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災、2020年の新型コロナ。
株式市場はたびたび暴落してきましたが、今回は経済状況の変化でもなく、金融危機でもなく、震災でもウイルスでもないのに下落。しかもリバウンドせず、加速しながら落ちた点において強烈でした。
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画像引用・新泉さんのX
日経平均は7月11日に史上最高値を記録したばかりですから、わずか3週間で1万円も下げたことになります。
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画像引用・新泉さんのX
そもそも株はなぜ上がっていたのか
そもそもなぜ上げたのか。
理由は主に3つあります。
企業業績が好調・バブル期と違い日本企業はしっかり本業で儲けており、割安だった日本株は買われていた
円キャリートレード・金利の安い〝円〟を借りて、金利の高い他国通貨へ投資する流れが起きていた(円キャリートレードについては後ほど解説)
海外勢の日本株買い・海外の機関投資家は、円キャリーで調達した資金を使い、割安な日本株を買いまくっていました
そもそも円安だとどうなるの?
円安は上場企業の業績に対し、概ねプラスです。
日本の強みは〝化学〟と〝製造装置〟。世界を席巻している半導体産業においては、日本の薬品や製造装置が無いと製品を作れません。
iPhoneのような最終商品を作るのは苦手でも、その中身を作るのに欠かせないのが日本の原材料や製造装置なんですね。
円安でメリットのある産業は以下の通り。
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続いて、日経平均株価とドル円の関係を見てみましょう。
1ドル161円(円安)の時、日経平均株価は42,224円(2024年7月11日)
1ドル75円(円高)の時、日経平均株価は8,988円(2011年10月31日)
関係は明確ですね。
円安なら株価は上がり、円高なら株価は下がる。この歴史的な事実は押さえておきたいところです。
円安のメリットデメリット
よく「円安で日本は滅びる」と叫ぶ人を見かけますけど、んなわけない。ならばなぜ1ドル360円の超円安で高度経済成長できたのか。160円となった今、なぜ滅びていないのか。
円安で株価は史上最高値だよ? なんで滅びる国の株価が上がるのさ。本当に滅びるなら誰も日本企業の株なんて買いませんよ。
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ただ、円安のメリットって分かりにくい。
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