第2回(2024.10.07)授業へのフィードバックから
2024年度工業心理学の第2回の授業が昨日終わりました。今回も「濃い」フィードバックをたくさんもらいましたが、その中のいくつかをご紹介していきたいと思います。
本編に入る前に。T2SCHOLA(本学の学習支援システム)のFeedback Form は皆さんが入力してくれたコメントを、名前や学籍番号と一緒に記録するように設定してありますので、名前とか学籍番号とかをフィードバックの中に書かなくても結構ですよ。
今回は、認知主義のパートの第1回ということで、認知プロセスの概観を眺めてみました。行動主義では「ブラックボックス」とされてきた人間の内的な営みがどんなモデルとして提案されているのか、駆け足で全体を観てみました。
本日のテーマの情報処理とは何かということを言語化してブラックボックスを仮説と共に検証していく過程が面白く思いました
行動主義では全く掴めなかったブラックボックスについて、途方もない実験の末に解き明かしていく認知主義の試みには脱帽した。
前回の授業で、S→Rの認識のところはブラックボックスとして扱ったが、今回はその中身を分割して考えた。認識という動作を今まで分解して考えたことなかったので興味深かった。
改めて「情報」とは何?って言われるとこれ!!!って言いきるのは難しいなと思いました。。。例に挙げられた「石破さんは総理である」みたいなのも情報なので難しいなと感じました。 なんとなく今まで直感的に理解していたようなものをきちんと整理して人間の思考がどのように展開されているのかということを考察出来て面白かったです。
行動主義では全く掴めなかったブラックボックスについて、途方もない実験の末に解き明かしていく認知主義の試みには脱帽した。
前回の授業で、S→Rの認識のところはブラックボックスとして扱ったが、今回はその中身を分割して考えた。認識という動作を今まで分解して考えたことなかったので興味深かった。
改めて「情報」とは何?って言われるとこれ!!!って言いきるのは難しいなと思いました。。。例に挙げられた「石破さんは総理である」みたいなのも情報なので難しいなと感じました。 なんとなく今まで直感的に理解していたようなものをきちんと整理して人間の思考がどのように展開されているのかということを考察出来て面白かったです。
今日は、科学的方法であることを保ちながら行動主義を超えていくために、認知主義が人間の認知プロセスをモデルとして仮定し、それを実験で検証していくという話をしました。興味を持ってくれた人が多かったようでよかったです。
授業で聞き逃してしまったのですが、SSTSの話で視覚が500msとなっていましたが、このmsとは何を表していますか。
ミリセカンド、すなわち 1/000秒です。
人に話しかけたときに、2秒後くらいに返答することがありますが、それは感覚記憶にあるものを急に処理するということですか。
いや、それは何と答えようか考えていたのでは?
感覚記憶の保持時間が視覚と聴覚で違いましたが、保持時間は何によって決まっているのか気になりました。
これは人間の進化の過程でそのような時間が選ばれた、という結果でしょうね。
概念駆動とデータ駆動で同じ情報でも異なった認識をするのが面白いと思った
人間の知覚について、データ駆動型と概念駆動型はどちらが優先して働くのか気になりました。 優先というよりも同時に働いていて、有利な結果を人間は認識として受け入れるのでしょうか? (説明が変だったらすみません🙇♂️)
両方とも同時にはたらきます。どちらかが優位になるかは、さまざまな条件によって決まります。
ミニ実験みたいなのが多くてワクワクしました。注意の話に関して、音楽聞きながら勉強することもこの考え方的には効率が悪いのかなと思いました
この話題は注意の回、そして作業記憶の回でも出てきます。お楽しみに。
概念駆動型で情報が処理されている例として空耳があったが、例えばし○か◯せ◯の丸の中に文字を入れて単語を作るクイズに答えるのも、もともと知っている新幹線という単語から、穴に文字を入れようとしている点において、概念駆動型と言えるのではないかと思った。
はい。その通りです。あなたの(長期)記憶に入っている概念から「きっとこうだろう」と考えているという点で概念駆動型です。
反応選択と実行が別のプロセスとして扱われていることも内観的にも納得がいき、興味深く感じました。
反応選択と実行が独立している理由がわかりません。実行結果がそれを引き起こしたはずの反応選択に一致しないなら、外的なものが要因であって脳内の処理には関係ないとするのが自然な気がします。「実行」が体内の情報処理の過程の内のみにおけるパートだとしても、それは最終的な反応選択だけに起因するのではないでしょうか。
この話題はこの授業の認知プロセスのパートの最後のステージでお話しします。なぜ「思った通り」の反応をしない(できない)ことがあるのか。お楽しみに。
結構、人体の仕組みを知る必要があり、生物分野の知識が必要なのだと感じた。感覚したものを器官がちょっとの間記憶しているという点に興味を持った。授業内では視覚が少しの間記憶を行わないとアニメが見られないとおっしゃっていたが、アニメをみるようになったのは割と最近だと思うので、それ以外に進化の過程でどのように必要だったのかが気になった。
今回の大学合併もそうですが、技術を突き詰めていくと、結局人間のことがわからないとできないこと、他の生物から習えることなどがたくさん出てきます。だから幅広い分野の知識(あるいは研究者)が一緒に仕事をすることが大切なのです。今回「人間の専門家」が数多く「同僚」になったことにワクワクがとまりません。
回されていた教科書の中を見たら、他の自然科学の教科書と同様に数式やグラフ、モデルなどが大量に記述されており、今まで持っていた心理学のイメージがひっくり返った。実際の心理学は、日本で一般に考えられている、医学や脳科学に近いような印象を受けた。
欧米の大学では、Department of Psychology は School of Science に、Mathematics や Physics、Chemistry などと一緒に並んで存在していることが多いです。(本学なら理学院でしょうか。) 心理学が「科学」であることが十分に認識されているのです。
次回は、いよいよ認知プロセスの中に入っていきます。次回第3回は「知覚」の第1回です。お楽しみに。