11月コミティア行きたいあれこれ
11月のコミティアが150回記念なので、行きたいなっていうのはずっと考えてたんです。申し込みもする…予定です!
が!
これ本は間に合うのだろうか?という状態になってるので、ちょっと色々と悩んで、お披露目予定だった2作品を準備号として、小噺をちょこちょこ書いたりする本にしようかなと…チキってます()
ほ、本編も絶対書くから!書きたいから!でも苦手だから、番外みたいな小噺でテンションあげようっていう作戦だから!(震え声)
そんなわけでこの後からそれぞれ一個尻叩きで書いたものを晒し上げ。少しずつだけどいろいろ頑張っていこうねふぉいさん()
(初めて目次機能を使ってみるけど…出来てるかな…())
小噺2つ
11月にコミティア参加用に制作してる小噺たちの一部です。本編の前に小噺を書いていくので、きっと何かおかしい部分が将来出てくると思いますが、気にせず行きます。
キャラデザや表紙や挿絵を好きな作家のお友達2人に依頼してます。本誌を作る時には素敵なイラスト付きで紙媒体と、Kindle配信を予定しています。
グラスとヒューの朝
グラスという青年と、彼のパートナーの(今は)ちっこいサイズのヒューというドラゴン。ただ2人がいちゃついてるだけのお話です。
『ひゅー…ひゅー』
ペチペチと額に触れる少し冷たい感触。押し込まれるような感覚は、きっと爪だろう。そろそろ切る時期か。まだ少し重たいまぶたを開けば、グラスの目の前には、彼が思った通りの生き物がいた。
『おはよ、ヒュー』
『ひゅーっ!』
腕を伸ばしながら背を起こすグラスの体に合わせ、ヒューの体もずるりと滑る。グラスの胸元から、胡座をかく膝へ体がすっぽりと収まったヒュー。彼はグラスの腹のあたりに自分の頭をゴリゴリと嬉しそうに擦り付け、グラスもくすぐったいよと笑いながらヒューの口元あたりを爪で撫でた。
ぎゅるるる……。
ヒューを撫でていたグラスの腹から音が鳴った。空腹を訴える音。
彼の腹に顔を擦り付けてたヒューにはもちろんその音が伝わる。その音に釣られたのか、グラスを起こしていた理由を思い出したのか。ヒューからも、きゅるると可愛らしい腹の音が鳴る。
『……ご飯にしようか。あ、肉を取ってこなきゃだ……』
うさぎか何かがいると良いね。ヒューを自分の肩に乗せてそう語りかけるグラスに、ヒューは一度、大きな声で空へ吼えた。
アキシナイト
この小話には以下の要素が含まれます。苦手な方はこのままブラウザやアプリを閉じてください。
・(見えないかもしれませんが)人を殺傷する要素
その船は敵意がないと確かに伝えていた。
客船の甲板から陽の光を反射させる波や、水面を走る風を楽しんでいた乗客たち。
彼らの目の前に現れたのは、自分たちの乗る船よりももう一回り大きな船。船の色は黒く、仕舞われてはいるが、砲眼があるのなら大砲もあるのだろう。いかにも威圧的な船だ。
甲板に出ていた乗客たちはその船に一瞬、身を固めた。しかし、すぐに胸を撫で下ろす。その威圧的な船からは、船に似合わずガタイの良い海の男たちがマストに所狭しと並んでは自分たちに、おーい!と声をかけながら笑顔で手を振っていた。
登檣礼。それは乗員がマストの上へとのぼり、自分たちは大砲にも手が届かない、敵意など持ってないと示す人員配置。知っているものはその並びに安堵する。知らないものも、両の手を上げて笑っている男たちは商船の乗員とでも思ってしまうだろう。その男たちの中にただ1人、身なりの整った女が居たのならなおのこと。
ふとその女と目が合った乗客は、にこりと向けられた笑顔に頬をゆるめる。返事を返そうと手を上げた瞬間に襲われる冷たい衝撃。
先程まで自分たちに笑みを向けていた女からは氷のように痛い視線と共に、自分たちと女たちの乗る船が氷で繋がった。
『……行け』
大きくはない短い命令でマストの上に立っていた男たちが次々と海に向けて……いや、船が繋がる氷を伝い、客船へと乗り込んでくる。
『死にたくなかったら、廊下と仲良くキスでもしてるんだね。目が合ったら……』
乗客が女と目が合ってしまったと思った瞬間に、女がつぶやいたアキシナイトという声が乗客の耳に届く。それとほぼ同時に額への衝撃と痛みに襲われ、額から鼻筋に沿って何かがとろりと流れたような感触を味わいながら乗客は意識を失い床へ倒れ込んだ。
『おら、コイツと同じ目に会いたくなかったら、大人しく床に伏せてな!』
足蹴にされながら仰向けにされた乗客は、2度と起き上がることはない。