東京の思い出(推し作家さんの一次創作の二次創作)

何度目かの東京でした!とても楽しかったですし、ちょっとご無理をごり押しさせていただいてコミティアにも遊びに行けてほんっっとうにたのしかったんのですが!その話はまた後日!
今日は推しの作家先生にマルチライナーについての質問をしたら何故か推し作家先生んちの推しの子をいただいてしまったので、ちょっと妄想しちゃったよねってはなし。許可なくやっていいっていったもん!のすけちゃうわのひとならそんな酷い改変しないよねって言ってくれたもん!
いやこれがそれに当てはまっちゃったらごめんなさいですが…多分許してくれる…はず…!(許されなかったら消します戦法でごめんなさい…!)
みんなマジで岡亭みゆ先生のヒカリシを読んでくれ…!本にもなってるし、webでも読めるから!今日のコミティアの新刊準備号でやべぇくらいに感情ジェットコースターでマジで毎日新刊出してほしいって思ってるくらい続きが読みたい!いろいろ言いたいですが、それもまた今度!
なにが言いたいかっていうと、そのヒカリシくんのお話に出てきてくれる、素敵な子の妄想小噺ですって話です(?)






その日、トドケシはほんの少し気まぐれな心を持っていた。
いつもは青い制服の中に差し込まれる赤いスカーフ。彼の髪の色もあわせると、その色合いは届け先へ駆けていくトドケシを少し遠くからでも認識させる。
そんな赤いスカーフではなく、今日は白いスカーフを身につけたのだ。
白も似合うじゃないか。自分の中では満足していたトドケシだが、周りからの反応は彼が喜ぶようなものではなかった。
触れられることがない。毎日しっかりと顔を合わせているわけではないからか、単に他人の衣服にそこまで興味を持つことがないからか、トドケシの白いスカーフに何か言われることなく彼の今日の仕事は終わってしまう。
ぺこりと頭をさげて最後の仕事を終わらせたトドケシ。帽子をとりつつこぼした深い息に、今日の疲れとスカーフへの寂しさを込めた。
『あ、トドケシ!』
毎日聞くわけではない聞き慣れた声が自分を呼ぶので、トドケシは足を止める。声の方へと体を向ければ、そこに居た声の主は自分の想像通り、幼馴染でトドケシと同じく職師のヒカリシ。ヒカリシは、お疲れさまー。と手を軽く振りながらトドケシの元へと小走りで駆け寄ると視線をトドケシの顔より少し下を捉えた。
『今日はスカーフの色が違うんだね。白いスカーフもトドケシに似合ってますよ』
『!』
まだ顔を合わせて数秒なのに、自分の欲しかった反応を寄越したヒカリシにトドケシの表情から疲れや寂しさが消え、喜びが浮かぶ。
『へっ、まぁな』
『空と雲の色。トドケシの色ですね』
トドケシの髪と同じ色の羽根を持つ、トドケシのパートナーの小鳥が空を飛び手紙を届ける姿と同じだとヒカリシは脳裏に思い浮かべた事を伝えた。
『……』
『照れてる?』
『照れてない!』
『そっか。ぼくはその色も好きだな』
また見せてね。そう笑うヒカリシに、トドケシは気が向いたらと照れくさそうに言葉を返した。


彼がトドケシくん(レアカラー)です!




おまけ


『……はじめて見るな』
それと指をさされた白いスカーフにトドケシは視線を落とした。
約束通りというべきか、ヒカリシからカゲシへ届け物の依頼を受けたトドケシは、白いスカーフをまいて仕事に臨む。
この日の最後の届け物。ヒカリシからカゲシへの荷物を手渡す際に告げられた言葉にトドケシは目を丸くした。
ヒカリシは、カゲシも気づくかもねなんて笑っていたが、他人に興味なさそうなカゲシがスカーフの違いに気づくとも、ましてやそれを指摘してくるともトドケシは考えていなかった。
『……なんだよ。お前ら似た者同士というか仲良しだなー』
『は?』
『ヒカリシとカゲシ。めちゃくちゃ人のこと見てんじゃん。カゲシなんか人に興味なさそうなのに』
お揃いだなと白い歯をみせにっかり笑ったトドケシに、なにがだよとカゲシは嫌そうな顔で包みをトドケシから奪い取った。