餃子はサラダって気がついたのと、BOG BODYって概念についてのメモ
三連休の中日はコーチングセッションが午前中に一つあるだけで、残りはほとんど用事もないことに気が付く喜び。ワタクシぞ、暇ならばいざ!と、時間をかけて料理をすることにした。風邪で家にいた娘ちゃんも餃子なら手伝うというので、一緒にタネからきちんと作ってみる。餃子って、カジュアルフードのイメージがあるけど、キャベツを事前に塩揉みしたり丁寧に作り始めるとものすごく手間がかかる。さらに、(そんなことはしないけど)皮を手作りにしたりしたらもう半日作業だ。ということで今回は、こちらのレシピを参考に、約1時間ほどの行程に2時間ほどかけて取り組んだ。無駄にみじん切りに時間をかける幸せってあると思う。もしこの資本主義社会から脱出できるのであれば、フードプロセッサーなんて捨ててしまいたい。
ところで、このレシピ、肉を125gに対してキャベツが300gとある。
悪いことをいうパンダが以前「ギョーザは中に野菜が入ってるからもうサラダ」って言っていたのを「んなわけないっしょwwww」と思っていたのだけど、この肉:キャベツ比率を見て、「いや、この比率ならギョーザってサラダじゃね?」と中学生男子顔まけなイントネーションで私も感じたので、通常の2倍くらい食べた。三連休でたが外れたかのように。ということで、これから餃子はサラダ認定いたします。特に安い店で食べたら、あなたが肉だと思っているそれは、ほぼ白菜(と少しの炭水化物、のはず)。
さて、23日金曜日は、銀座のASK? art space kimuraで行われた中村恭子さんと郡司ペギオ幸男さんのトークイベントへ出かけた。
私は、金沢の町家の2階の襖絵を中村恭子さんに描いていただけないか?という妄想というか希望というか夢みたいなものを2週間前に善光寺の展覧会で出会ってから抱いている。私は同性愛ではないのだけど、これは感覚としては完全に「恋」。
なのに、この日は早めに到着したイベント開始前に、用意していただいたパイプ椅子に座ろうとしたらバランスを崩して床にお尻から落ちてしまい、椅子はバッターンと床に倒れ、必要以上に大きな音を立ててしまった。来場客から受け取る哀れみと心配の眼差し。それで、痛いやら(問題の10%)、恥ずかしいやら(問題の90%)で、本当は中村さんに町家の写真を機会があればお見せしようと意気込んでいたのが実現できずにすごすご帰ってきた。しかも、転んだ私に気を使わせてしまい、中村さんご本人が「お上着、奥で預かりましょうか・・?」と声をかけていただく始末。消えたい・・・と思ったけどお言葉に甘えてダウンジャケットを預かっていただいた。何をやっているのだ、ワカメ。大事な場面ではちゃんと仕事しろ!!と思いつつ、またの機会を伺うことにする。
トークイベントの内容はすごく面白くて、初めてBOG BODYというものを知った。BOG BODYとは、ミイラの一種なのだけど、北欧やイギリスの泥炭地で形成されたもののこと。主には神への生贄となった人間の遺体が、ある自然の奇跡と言えるような泥炭の化学的なミックスの中にたまたま埋もれることによって、2000年経って発見されるととても状態の良いミイラとなることがあるらしい。2000年経って発見されたとしても、最近の殺人事件ではないか?と警察が動き出すほどだという。2000年て!!!すごくないですか。
郡司さんが、淡々と、幾つもの事例として見せてくれる。「まじか、なんだそれ。新しい!!」と思うけど私が知らなかっただけでものすごく古い話。
この奇跡の泥炭をBOG Peatと呼ぶことから、そこから発掘される遺体は BOG BODYと言われ、各遺体には名前がつき、ご丁寧に再現の顔が作られていたりする。詳しく解説した動画はこちら(英語だけど字幕あり)↓
んで、BOG BODYにインスピレーションを得て描かれた中村さんの絵はこちら↓ 「風景が肉体化する」というのが、テーマだという。
「風景が擬人化する」のでもなく、「人間が風景に紛れ込む」のでもなく、「風景が肉体化」する、というのが大事らしい。「私の言っていること、わかる?」と真っ直ぐに目を見つめて言われたら「わ、わかりません!!」と言わざるを得ないのだけど、そのお話をされる中村さんや郡司さんがみている世界やその言葉はもっと私も理解できたらなあ、と思う。
私たちは、同じ時代(2024年)に同じ空間(中央区銀座)を生きているように見えて、全然同じ言語を分かち合えていないな、と感じて、どうやったらあちら側にいけるのだろう?と戸惑いつつ、とりあえずお二人の著書TANKURIを購入して帰ってきた。
そしてその本を、餃子をチリチリと焼きながら読むのだけど、それは馴染みある日本語で書かれているにも関わらず、その世界に入るのに脳みそのチューニングがいるくらいボキャブラリーやその接続が非日常の別世界。
本当を言えば私もあちら側の住人になりたいのだけど、どうしたらいいのだろう、が三連休で浮上した設問。
※明日はPerfect Daysの感想もかけたらと思う。あの主人公も、複数の世界をまたがって生きていたっぽい。