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リアルライフ 誕生 #1
0歳
出生
生まれはシンシティ、ワード地区。バークレー大学附属病院で生まれた。
気象庁の記録を調べたら大雨だった。まだこの時期は梅雨だ。ジメジメした日に生まれたのかと思うとアレだが、私は夏が好きだ。
大学附属病院
その病院は国内最高峰の医療機関だったらしい。紹介状が無いと入院出来ないとも聞いたが、私にはどうでも良い事だ、出生児の記憶など覚えていないのだから。産まれた病院で箔がつく訳でもない。
母の実家が近く、たまたま知り合いの紹介で入れたのだろう。
父はド田舎と呼ばれる程の地方出身者なので、都内で子供を産むのはステータスだったのかも知れない。
母が言うには、大学病院は研修医が多く、1回の検診に5、6人が付いていたらしい。実験体の様な気がしたと言っていた。
今でもあるかは分からないが、健診時に上級の医師が配下の医師や、その下の研修医を連れて大勢で練り歩く様を大名行列と呼んでいた。看護婦は、本当に端に避けて、お辞儀をするそうである。手塚治虫の漫画で見た事がある。キリヒト讃歌だったかな。
地方出身者の葛藤
10歳以上、年齢の離れたの親戚のお姉ちゃんの話しだが。彼女は子供の内の1人を田舎の実家で産んだのを後悔していた。その子がいじめられないか心配だった、と語ったのを、私が小さい時(6-10歳)に聞いたのを覚えている。
そんな事を気にするのか!?と思ったが。今、思えば、それが我が子を思う気持ちなのだろうか。地方出身者はそんな事を考えるのだろうか。
今の日本ではそんな事は無いと思うが、50年前の日本人は、そんな感覚だったのだろう。
兎に角、私は高度成長期の真っ只中の日本で生まれた。