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リアルライフ サツキ荘 #3

0-4歳


記憶

乳児期の記憶は勿論無い。思い出せるのは3歳辺りからか? 

当時の強烈な出来事が記憶に残るのは事実だが、残っている記憶は数少ない。

それが最高に楽しい出来事だったかもしれないし、トラウマ級の出来事だったかもしれない。

サツキ荘

サツキ荘であった出来事は少しだけ覚えている。大好きな場所だったし、今でも好きだ。

思い出すと、色々ある事に気づいた。

泥棒とウンコ

空き巣にやられたらしい。私の記憶には無い。

母は鍵を掛け忘れたのだろう。金品と母の結婚指輪が盗まれた。

母は気が動転してたいのか、警察に電話をしないで歩いて交番まで行った。しかもリバーサイドではなく、シンシティの交番だ。確かに川の向こうのシンシティの交番の方が近いが、明らかに管轄が違う。

母は本当に気が動転していたのだろう。

当時の空き巣は、度胸試しと運を残す願掛けで、ウンコをしていく風潮があったらしい。運が流れない様に、ウンコは部屋の真ん中でするのが定番だ。

しかし、この空き巣はアホなのか、律儀なのか、トイレにウンコを残していったらしい。母は迷わず流した。

トイレの鍵

サツキ荘のトイレの施錠には問題があった。

スライド錠なので、子供が間違って中から鍵をかけて、開けられない事が頻繁に起こっていた。

スライドだから、横にスライドさせれば開くのだが、子供には分からない。

閉じ込められる事が多数あって、対策としてスライド錠に紐をつけたり、錠を取り外していた住民もいた。

ある日、家に遊びに来ていた子供が閉じ込められてしまった。

子供は中で泣き叫んでいる。

困った時に、ビッキーのお母さんが助けに来てくれた。

トイレと風呂場は壁一枚で繋がっていて、壁の上方に、約30センチx100センチの吹き抜けがあった。トイレは、外に面していない部屋の中にあったので、窓が無い。当時のトイレには換気扇が付いていない。その為に、換気対策として風呂場とトイレの壁に吹き抜けがあったのだ。

その吹き抜けから顔を入れて、中の子供に説明したが、パニック状態の子は泣くだけなので、ビッキーのお母さんは、吹き抜けからトイレに入って鍵を開けた。細身の女性だったから出来たのであろう。

一部始終を見た私は、ヒーローを見た。

「ビッキーのママ、スゲー!」と、はしゃいで、喜んだのを覚えている。

1階の住民には庭、2階の住人にはベランダがあった。洗濯物を干すスペースと少しの庭があり、昔の作りなので、横の通り道から庭に侵入できてしまう。

庭には、隣の部屋との間に、柵や壁は無いので、5戸分の繋がった庭は広かった。

子供だったが、人の敷地に入る意識はあったと思う。人の敷地に勝手に入ったり、覗いてはイケナイと思っていた。それか、気にもしていなかったのだろう。

タイムカプセル

私はクッキーの缶を、タイムカプセルにして庭に埋めた。中には、当時のオモチャとメッセージを入れた。しかし、掘り起こしたのか、思い出せない。

どうでもよい事を覚えてるんだな、と思ったが。その時は最高に楽しんでいたと思う。近い将来にタイムカプセルを開ける日を楽しみにをしていたはずだ。

タイムカプセルは、今も埋まっているかもしれない。あっても、腐食しているだろう。



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