会社に「心」はない

会社が原因で心が病む事がある。
私の周りにもいたし、私も病みそうになる事はある。
その理由は色々あるだろう。

かつて、私の周りに休職の後辞めた方がいて、相談された時印象的だったのは、「会社には心が無い」という言葉だった。

会社は生きていない。人間ではない。人間と同じ様に「心がある」と思うと苦しい。

社員は人間ではあるが、その集合組織である会社は人間ではない。
雇用される側もする側も人間であるが、何れの立場も、会社という組織に縛られ理に従って合意形成されている。

会社にとっての理は、個人には辛過ぎる時がある。
時として個人を無視しているかの様な判断が下される事がある。

明らかに無理のある転勤、人事異動や、急な賞与カットなど、経営という立場からは理があっても個人にとっては不条理な事はいつでも起こり得る。

会社というものは個人に寄り添って作られるというより、大きな社会に従って動いている為、個人の意思は無視されがちだ。
そしてその大きさ故に、少し会社が変わるだけで、一部の小さな個人が握り潰されてしまう事がある。

部長クラス、経営者ですら会社の一部でしかなく、意に反した判断が降り掛かる事がある。
例え人事や経営者に良い顔をしていても、いざという時はそんな努力は水に流され、社会の大きな流れに流されてしまう。

会社は「心」というものが無い無機質な存在故に、多くの人が会社に対し、潜在的な恐怖、得体の知れないものへの畏怖を感じているのではなかろうか。

ともすると、会社に人間と同じ心の動きを求めるのは間違っているのかもしれない。
会社が「獣」と考えるとどうだろう。
そうすると、人外な判断も理解は出来るだろう。

会社というものは、生きておらず、心もない。
だから、会社に人間性を求めるのは、裏切られた時のダメージが大きくリスクだ。

個人を犠牲にして会社を大きくする、という高度経済成長の時期は終わっている。やればやる程会社に大切にされるという時代は終わってる。

今は個人の尊厳を考え、会社と上手く距離をとる時代になっていると思う。

会社に「人情」や「義理」を期待し過ぎず、クールな目で見ていく方が良いのかもしれない。

と、感じた最近だった。

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