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全93チームの頂点。「心が躍ることをやる」思考で追求する世界観作り【enXross HACKATHON 参加者インタビューvol.7「U.D」(前編)】
皆さん、こんにちは。
enXross 事務局の木村です。
「enXross HACKATHON」では、全93チームから選ばれたファイナリスト10組による最終プレゼンテーションが行われました。
ハッカソン参加者にフォーカスを当て、決勝に選ばれた日本チーム全6組、そして奨励ピッチの優勝チーム1組、計7組のインタビュー記事をお送りしております!
第七回は、enXross HACKATHON 決勝ピッチで見事優勝を果たした「U.D」です!チームメンバーの瀧 大補さん、尾上 兼透さん、荒木 裕さん、村井 亮介さんにお話を伺いました。内容が盛りだくさんのため、前編、後編に分けてお届けします。
「いい意味でクレイジー。絶対無理でしょみたいなことをやり切る」
国内外、93チームの中から頂点に立った「U.D」。ハッカソン十数回を経験している熟練者から、ハッカソン初挑戦者までで構成される4人チームだ。「フィーリングがめちゃくちゃ合っていた」4人で勝ち取った優勝は、良い意味での”クレイジーさ”で成り立ったチームだからこそ成し得たものだった。
―――(荒木さん)まず、嬉しいです!っていうのが、すごいシンプルな感想です。enXross HACKATHONは開発者だけじゃなく起業したい学生であったりとか、色んな人が注目して参加されたイベントだったと思います。
―――(瀧さん)メンバー構成にあたってお声掛けさせていただいたのは私からなんですけど。尾上さんと荒木さんとは、今までXREAL社さんのARグラスで一緒にモノを創ってきた仲でお誘いしました。村井さんは荒木さんのコミュニティからです。学生で初参加にもかかわらずデザインを全部やってくれました。
今回、仕様書を書いておらず、一緒に作ったのは動画の絵コンテだけぐらいでした。それでも一緒に畳み掛けられるありがたいチーム構成をさせていただけたっていうのが、実はすごいポイントだったんじゃないかなと、個人的に感じています。あとは村井さんがたった数日で3Dプリンターでガジェットを起こすという奇跡がありましたので(笑)。すごいスピード感で、フィーリングがめちゃくちゃ合ってたチームだったというのが印象的でした。
―――(尾上さん)私はハッカソン十何回目ぐらいの常連組なんですけど、いつも個人で参加してるんで、この4人チームみたいなのはリソースが分散して本当にやり易かったです。あとはちょっと悪い言葉使いますけど、ほんといい意味で瀧さんてクレイジーなんで。絶対無理でしょみたいなことを、以前荒木さんと瀧さんと一緒に仕事をしたソラ水族館の企画の時もやり切ってたんですね。
その時は神戸のとある商店街を丸ごと水族館にして見てみたいという企画で、日中の野外という光学式デバイスと相性の悪い環境での挑戦だったんですけど、NrealLight(エンリアルライト)っていうデバイスに対して、瀧さんは「サングラスを物理的にワイヤーみたいなのでくっつけてやります」とか言い始めて。あとは荒木さんのアイデアですかね、デバイスやスマホが屋外で熱くなってしまったのを、冷えピタみたいなのを使って温度下げることをやっていて。結構クレイジーなことは前から認知していました。なので、今回もこういう開発以外の部分は二人にお任せしてればなんとかなるんだなと。
―――(村井さん)僕はハッカソンが初めてなもので、どういうスケジュール感で進めていくのかとかもあまり分かってなくて。その基準が最初からバグっていた瀧さん基準でやらせていただいたんですけど(笑)。デザイン面というか、そこだけはもう絶対に貢献しようと思って必死にやった結果、数日で3Dプリンターでガジェットを作ったり、カードを色々デザインしたり、とてもいい経験になったなと思っていて。結構スケジュール的には詰まりましたけど全然やりきれたなと思っています。
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(左から、村井さん、尾上さん、荒木さん、瀧さん)
根底にあるのは「これは心が躍るからやるべきだ」という想い
圧倒的な業務スピードで、そのクオリティを創り上げた4人。今ピッチでの盛り上がりの一翼を担った荒木さん扮する「アラキ隊長」をはじめ、村井さんが初めて3Dプリンターを使用して作ったというオリジナルのガジェット等々。人を魅了する世界観はどのようにして出来上がったのか。
―――(瀧さん)村井さん、すごいんですよ。まず3Dプリンターで何かをプリントしたのが初めてだったんです。回転する部分含め、アームに取り付ける部分の取っ掛かりとか設計を全部やってくれたりしていて。そして彼、初代のウルトラマンとか絶対知らない世代じゃないですか。なのにウルトラマンの白地の背景に後ろにちょっともやっとした背景でシルエットが出てくるみたいな。ああいうデザインのイメージも彼が一から自分で調べて、その世界観に合わせて作ってくれたりして、その辺の引き込み方はめちゃくちゃすごかったです。
今回のベースのアイデアは僕なんですけど、荒木さんは、何をどう面白くするかの演出部分がめちゃくちゃ得意な方で。今回腕のガジェットの素材を見つけてきて、それを回転させたら面白いのでは?という話も、UX的に実は結構面倒くさい作業じゃないか、取り下げるかって話になりかけたんですけど。「いや、これは心が躍るからやるべきだ」って押し通してくれたのが荒木さんで。プレゼンでアイデアの見せ方の組み立てとか、どう面白くさせるかをエンジニアリング出来つつも、ちゃんとそれを売り込んでいくところがめちゃくちゃ得意なので。ここまできちんと仕上がったのは荒木さんのアイデアのおかげだなっていうのは感じています。
―――(荒木さん)僕はウルトラマンをすごく知ってる方かというと、そうではないです。ただ、ウルトラマンというのをIPとして使いましょうとなった時に、その面白さとか良さっていうのは絶対にあるわけで。それをまず理解した上で、どうやったら面白いのかっていうのはちゃんと調べて。おそらくこういうとこがかっこいいんだとか、設定とかもすごい大事にするようにして、ベースとしてみんなで最初に話ししました。いくらそれがすごくかっこよくても、ベースの設定とかをあまりに逸脱してたら、それは見てる人からしたらすごく面白くないないものになってしまうし、僕らのエゴになってしまいますので。この辺とかは最初にすごい大事にして決めたりしたので、作っていきながら愛は持ってたと思います。
ウルトラマンへの愛、そして東京ドームへの愛もそうです。なので、東京ドームさんが書かれてた記事、ハッカソンに対する思いとかも読み込みましたし。どこを軸にしてるのかとかを理解した上で、その気持ちになった上でコンテンツを考えてみたりとかは結構意識してましたね。今回アラキ隊長として僕が立とうみたいな感じで、当初あったわけではないんですけど僕が言い出しっぺで、空気的に外したら多分めっちゃ滑るんやと思うけど(笑)。ちょっとエンタメ寄りにして楽しませる方がいいんじゃないのかって思うんですよねって話をチームでして。もう僕が仮にだだ滑りするっていうのは全部僕が引き受けるんでぐらいの感じで、それでも、絶対そっちが面白いとみんなで言い合って出来たのが一つの印象深いところですね。
―――(瀧さん)今回プレゼンの中にウルトラマンって最後しか出てこないんですよ。スカイセグメントでビルの向こう側に出てきて、ウルトラマンと一緒に映れますよってアプリを別で最後だけ作ったんですけど。元々屋内で楽しむためのゲームだから巨大なウルトラマンって屋内で出てきたら違和感あるよねっていうのが、すごく悩んでたんですよね。
だからウルトラマンをIPとして使わせていただくんだったら、ウルトラマンがちゃんとそこに行って違和感が無いっていうことでないと、そもそも面白くないじゃんみたいな。暗黙の了解って既にチーム内にあって。だから、巨大化系は実はできるだけ逃げてたんですね。そんなのもある種の愛かもしれないですね。
インタビュー・テキスト by木村亮
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荒木さん扮する「アラキ隊長」(右側)