エンタメ×ブロックチェーンで新しいビジネスとつながりをつくる ―enXross主催者インタビュー・現場編
皆さん、こんにちは。
enXross事務局です。
日本最大級のエンターテインメントシティである東京ドームシティ。
東京ドームシティの新プロジェクトenXross(エンクロス)は、デジタル技術を活用した経済圏創出や、お客さまの感動体験アップデートの実現を目指す取り組みです。
こちらのnoteでは、世界のエンターテインメントとイノベーションの交差点・enXrossのプロジェクトに携わるスタッフや、web3・ブロックチェーン領域の有識者、協賛企業の皆さまへのインタビューを通じて、イベントのビジョンと魅力などをお伝えします。
第1回は、東京ドーム・イノベーション推進本部の細井一人さん、赤木翔さん、下山大輔さんに、プロジェクトを企画・推進する現場の視点から、お話をうかがいました。
「東京ドームは、変わる。」というメッセージに込められた思い
― 今日はenXrossというこれまでにない取り組みに挑戦されているお三方のお話を伺いたいと思います。まずはそれぞれ、どのような業務を担当されているか教えていただけますか。
細井 イノベーション推進本部に所属し、新たな事業構築に向けて日々格闘しています。enXrossプロジェクトでは、協賛企業様に参画いただくための営業活動などにも携わっています。
赤木 私は、東京ドームでの新しい取り組みの中でも、主にweb3やブロックチェーン、メタバースやコンテンツ開発の部分を担当しています。
下山 私は、赤木さんと一緒にweb3領域の情報収集や人脈作りを進めています。web3は試行錯誤が必要な領域で、いろいろな方の話を聞いて知見を貯めていくフェーズなので、あちこちに足を運んで、リサーチ・人脈開拓をしています。
― 概念的にも技術的にも新しい領域なので、情報が重要ということですね。enXrossでは、「東京ドームは、変わる。」というスローガンを掲げています。この言葉にはどんな思いが込められているのでしょうか?
細井 もともと、東京ドームはイノベーションを起こし続けてきた会社です。戦前に職業野球専用の球場を作ったことに始まり、後楽園遊園地に大規模なジェットコースターを作ったり、球場に人工芝や電光掲示板を導入したのも日本初です。ドーム球場自体も技術的に大きなイノベーションでしたし、スパラクーアという都心の温泉を作るなど、新しいことに挑戦し続けてきました。
ただ、ここ数年はそのイノベーションとは少し遠くなっているという課題感がありました。
赤木 数々のイノベーションを起こし、東京ド-ムという中長期的に圧倒的な収益をあげられるビジネスモデルや商品ができたがゆえに、イノベーションが起きづらくなる、イノベーションのジレンマに陥った面があるかもしれません。
下山 東京ドームの人間にはイノベーションを起こすポテンシャルがあるはずなのに、最近はそれがなかなか実践できなかった面がありました。
ですが、東京ドームシティは「エンタメの聖地」だという自負があります。東京ドームシティから、エンターテインメントを通して、日本発の新しいものを作って世界に届けたい。そのためには最新テクノロジーが欠かせないと考えているので、テクノロジーを掛け合わせて、新しいかたちのエンターテインメントを生み出し、それを世界中に届けたいと思っています。
細井 私たちが持っているイノベーションのDNAをもう一度呼び覚まそう、そのイノベーションを通じて、日本と世界の皆さまに笑顔と感動を届けたい、という思いを込めています。
テクノロジーの力でエンタメをアップデートし、笑顔と感動を世界に広げる
― 東京ドームシティというと、スポーツやアトラクション、ライブというようにフィジカルのエンターテインメントのイメージがあります。web3とのつながりは薄く感じますが、デジタルテクノロジーにどんな期待をされていますか?
細井 私たちは、コロナで大打撃を受けました。リアルでお客さんを集めてこそのビジネスモデルという、一本足打法でしたが、もしまたパンデミックが起きたとき、同じ轍を踏んではいけないと思っています。
今、メタバースを活用したバーチャルの東京ドームの検討を進めています。これが実現できれば、私たちのビジネスの対象は世界に広がります。もちろんこれは簡単なことではなく、集客が悩みどころです。デジタルテクノロジーを使って新しいエンタメビジネスをつくっていく、これは最大のチャレンジだと思っています。
下山 enXrossの企画にあたっては、web3をあまり知らない方でもわかりやすい、初心者でも入りやすい設計になるよう、意識しました。我々のような、一見デジタルテクノロジーに関係ないように見える事業者がこういうイベントを主催することでweb3の間口が広がれば、業界の発展にも寄与できるのではないかと思っています。
web3業界の最先端に触れられる、「裏方」としての魅力
― 東京ドームというリアルのエンタメの聖地とデジタルテクノロジーがクロスする、まったく新しいコンセプトのプロジェクトですが、進めていて大変なところはありませんか?
赤木 そうですね。前例のない取り組みなので、あまりにも型がないというか、どうやってビジネスベースに乗せていくか、という企画の難しさはあります。
ですが、web3という領域は今が黎明期なので、最先端を走る実力者の方々との距離が近いことは大きな魅力です。業界のトップランナーにメール一本で連絡して話ができるということもたびたびあり、直接やりとりする中で発見をいただいています。
下山 実務的な作業がたくさんあって大変だなと思うことも正直ありますが、やはりそれ以上に、ワクワクを感じています。こういうイベントでは代理店の方などに登壇者のアサインをお願いすることが多いですが、今回は全員、自分たちで連絡を取り、直接お願いしています。登壇者も審査員も、かなり豪華なメンバーになっています。
赤木 情報収集をして企画を立て、登壇などの協力依頼をする業務は大変ではありますが、それを超えてやりたいと思う個人的な背景もあります。
私は2007年に社会人になったのですが、この年は、iPhoneが発売され、FacebookやTwitter(現 X)が日本に上陸し、AWS(Amazon Web Service)のサービス提供が開始されたタイミングもこの頃でした。このとき世に出たものたちが今、世界を席巻していますが、当時、私自身はそこにまったく注意を払っていなくて。世界のイノベーションに東京ド-ムとして乗ることができていたら、今はもっと違っていたかなと思うんです。
web3という新しい波が来ている現在、自分たちで型を考えていきながら、次こそはこれをキャッチアップしたいと思っています。大変だという以前に、「そういうことをやらなあかん」と、使命として感じているところがあります。
東京ドームシティをweb3の実験場に、関係者全員がつながる機会を
― enXrossには、大企業から新進気鋭のテクノロジー企業まで、さまざまなスポンサーが参画しています。スポンサーの皆さんからの期待も大きいのではないでしょうか。
細井 そうですね。スポンサーを引き受けてくれた企業さんには本当に感謝しています。このプロジェクトを大成功させて、スポンサーの皆さんと新しい未来を創造していきたいと思っています。
赤木 僕らとスポンサーの皆さんがブロックチェーンでつながれるといいですよね(笑)。
細井 今回のスポンサーには、web3領域と直接つながりのない企業さんもいらっしゃるので、そういう方々に対しても「あのとき誘ってくれてありがとう」と言っていただけるようにしたいですね。
web3×エンタメ×スポーツ×笑い、のようなラインナップは我々でしかできないと思っていますし、東京ドームシティを世界でも稀なエンターテインメントシティにすると謳っていますから、ここにも大きな期待をいただいています。
― こうした「東京ドームを変える」アイデアを、日本だけでなく世界から、アワードを通じて募るという点も面白いですね。
細井 ドームシティ×◯◯、と言ってはいますが、ドームシティにとどまらず、日本や世界の人々にとって有益なサービスになるようなアイデアが生まれるイベントにしたいと考えています。将来、世界で、「あのとき東京ドームシティで生まれたサービスが役に立っているね」と言われるようになれば最高ですね。
赤木 そうですね。ドームを踏み台にして世界に羽ばたいていくくらい勢いのあるアイデア、僕らが恐れおののくくらいの尖ったアイデアを応募してほしいなと思っています。
下山 東京ドームの社内でも、社員が新規事業を立ち上げるプログラムがあるのですが、そちらは中で仕事をしている視点のアイデアという文脈が強いので、enXrossでは外部の目線、テクノロジー起点やお客さま目線の自由な発想で東京ドームシティを解釈していただいて、私たちにはない観点のアイデアが出てくることを楽しみにしています。
細井 東京ドームシティには、老若男女、あらゆる層の方々が訪れます。しかも都会の真ん中という世界でも珍しい立地です。この立地は私たちの最大の強みですし、この場をweb3の壮大な実証実験のフィールドとして使ってみたい、という方に集まっていただきたいと思っています。
東京ドームシティの新プロジェクトenXrossについてはhttps://www.tokyo-dome.co.jp/enxross/をご覧ください!