
フェルミ推定のやり方・コツを解説【例題付き】
「フェルミ推定とはそもそも何のこと?」
「何か効率的な考え方や、やり方・コツとかないの?」
とお考えではないでしょうか。
この記事では、フェルミ推定の定義からやり方、コツまで例題付きで紹介します。
記事を読んだ後にはフェルミ推定に対しての抵抗感がなくなり、実際に使うことができるようになります!
合わせて、練習にも活用できる書籍も紹介します。
では早速本題です。
フェルミ推定とは?
まずは定義から。ウィキペディアさんでは以下のように定義されています。
フェルミ推定とは実際に調査することが難しいような捉えどころのない量を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算することである。
まとめると、一見調べようのない数値を、少ない情報量から仮説を立てて、正解に近づけるといった感じです。
以下に例題を記してみました。
フェルミ推定の例題
・日本に温泉旅館は何軒くらいあるか
・レインボーブリッジを通る車の量は1日で何台くらいか
・文字通りの『赤道直下』には何人くらいの人間が住んでいるか
などなど、、
結構、突拍子もない問いですよね 笑
ただ、「知らんがな!」で終わらせることなく正確な数値に近いと言ってもいいんじゃないか?
といったところまで推察していくのが、フェルミ推定の面白いところであります。
では、早速例題を解く上での解説やコツについてです!
フェルミ推定のやり方やコツはあるの?
例題をご紹介する前に、コツがあるのかどうかですが、結論あります!
フェルミ推定のコツ4つ
以下の4つが大まかなコツになります。
1、最終的に求めたい数値を定め、数を分解できるところまで分解する。
2、需要=供給となるように考える。
3、一発で数値を算出しようとしない。
4、最後に検証をする。(クロスチェックを行う)
例題で確認していきましょう!
フェルミ推定の例題
フェルミ推定の例題を解いていきましょう!
お題は『日本に温泉旅館は何軒くらいあるか』。
これはパッと数値が出せなくてもしょうがないですね。
実際にコツを元にして解いていきましょう。
まずは、最終的に求めたい数値は何かというところですね。
この場合は日本国内の温泉旅館の数です。
では、温泉旅館の数を洗い出すにはどのようなロジックで考えていけばいいのかというと、ズバリ「需要=供給となるように考える。」です。
需要=供給となるように考える。
需要とは、日本国内の人々が温泉旅行にどのくらいの頻度でいくのかということ。
年ベースで考えるとわかりやすいです。
供給とは温泉旅館の1軒あたりの宿泊可能人数です。
上記を式にまとめてみると以下のようになりそうです。
日本国内の温泉旅館の数=温泉旅行自体の需要 ➗ 温泉旅館の宿泊可能人数
これを可能な限り分解してみたいと思います。
まずは「温泉旅行自体の需要」です。
日本の人口は1億3000万人で、その中で旅行にいけない人の数を引きます。
だいたい30%を引くとします。(生まれたての赤ちゃん、旅行に興味がない人など)
さらに年間旅行回数を掛けてあげます。
だいたい年に1回は最低でも行けると仮定します。
すると『温泉旅行自体の需要=1億人(温泉旅行に行ける人)✖️ 年1回』となりそうです。
一発で数値を算出しない。
次は「温泉旅館の宿泊可能人数」を導きます。
大規模な旅館は100室ほど部屋があるとしても、中小の旅館は平均して10室ほどとします。
また大規模な旅館と中小規模の旅館の比率は1:10とします。
すると[(100室✖️ 1軒)+(10部屋✖️ 10軒)]➗ 11=18.18181818、、、となります。
これで1軒あたりの客室数は18部屋と仮定できますが、1部屋あたりに2人泊まるとすると、1軒あたり36人が宿泊することになりますね。
年間で1億人宿泊し、1軒あたり36人が宿泊、それが365日分という要素が考えられました。
長くなりましたが、
日本国内の温泉旅館の数=1億泊➗ (1軒あたり36人✖️ 365日)=7610施設
と考えることができました!
ただ7610施設が年中パンパンでこの数字なので、稼働率(どのくらいの施設が集客できているか)を考えてみます。
ここはざっくりと6割と考えます。
6割の稼働率だと7610➗ 0.6=1万2700施設となりますので、
フェルミ推定の結果は日本国内の温泉旅館の数:1万2700施設となりました!
検証してみる。
正確な数値を調べてみると1万5024施設(環境省調べ)とのことでした。
結構近い数値ではないでしょうか。
数値のドンピシャを目指すのではなく、どのようにロジックを立てて導き出すかが重要なので、いい感じだと思います。
検証のときにクロスチェックと言って、計算式のロジックを他の項目に変更してみて計算に大きな狂いがないかどうか確かめるのも大事な工程です。
フェルミ推定が間違った方向に進んでいないかどうかを確かめる工程は最後に入れるようにすると効果的ですよ!
注意点
フェルミ推定で求められているのは論理的に自ら考え抜く力があるかどうかです。
論理的に考えるよりも先に計算式がなんとなく出てしまうということが起こるかと思います。
ほぼ暗記していた状態での回答はどこかテンプレ感が出てしまいます。
プロであれば見抜かれます。
フェルミ推定の例題を解くときはなるべく自分の言葉で計算式を導くよう心がけてみてください!
まとめ
まとめです!
フェルミ推定とは、一見調べようのない数値を、少ない情報量から仮説を立てて、正解に近づけること。
フェルミ推定を実践する上でのやり方やコツとしては、
1、最終的に求めたい数値を定め、数を分解できるところまで分解する。
2、需要=供給となるように考える。
3、一発で数値を算出しようとしない。
4、最後に検証をする。(クロスチェックを行う)
注意点としては、テンプレ化せず、なるべく自分の言葉で計算式を導くということでした!
長くなりましたが少しでもみなさんのお役に立てたら幸いです!