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水が滴らなくても良いヒトではあるのです。イイオトコかどうかは、まあ追々。
きみもしわくちゃ。
ぼくもしわくちゃ。
いつかふたり
のむおちゃが
きっとあまくなるように。
『しあわせのとなりで。』 神岡学著 大和書房刊
かつて、長男の受験に際して、健康管理を考えて加湿機能のついた
空気清浄機を買った。
夫君の鼻炎にも効果を期待して、勉強部屋と仕事部屋と2台。
買ってしばらくは、空気清浄機能のみを使っていたのだが
冬の到来とともに、加湿機能の恩恵にもあやかっている。
ときどき、「ボク働いてるよ」というように
「こぽこぽん」
と、音がする。
すると、私の脳裏には夫君が水を飲む姿が浮かぶのだ。
私だけの勝手なイメージかと思っていたら、長男もそうだという。
とにかく、よく水を飲む人なのだ。
ふつう、水を飲むときには「ごくごく」という擬音が
つきものだと思うのだが、彼の場合は、
瓶から瓶へあけ換えているがごとく
「こぽこぽ」という音がしっくりするほどである。
台所でキャベツを洗っていると、
葉にたまった水を見て
「おお、そのまま飲みたい」と言う。
この場合、キャベツの立場は気の毒である。
仕事場の机の横には、1リットルのペットボトルが常備してあり、
なくなるといそいそと浄水器へ向かう。
何回くんでいるのか、怖くて数えたことはない。
遠い昔、ハワイに行ったときには、ガロン単位で売っている
ミネラルウォーターのタンクを嬉々として抱えていたものだ。
ほとんど嗜好品の域である。
チェーンスモーカーならぬチェーンドリンカーである。
ただし、水限定の。
水も滴るいい男というけれど、彼の場合は滴ることはないだろう。
ぜんぶ、飲んじゃうんだから。
2011-12-23 14:57:25 up