ミニマム廃墟の逆襲が始まるー。
ミニマム廃墟とは?
こんにちは、えぬびーです。
今、あなたの好きな廃墟を思い浮かべてください。
それはきっと、巨大だったり、美麗だったり、荘厳だったり、積み重ねられた歴史があったり、経年により熟成されていたり―――。
そういった廃墟がイメージされたのではないでしょうか。
また、「日本三大廃墟」とネット上で呼ばれている廃墟をご存じでしょうか。
「軍艦島」「摩耶観光ホテル」「八丈オリエンタルリゾート」
どれもみな、日本トップクラスに壮大であり、美麗です。
廃墟としてある程度の知名度ある物件はみな、規模、立地、熟成度、歴史、美しさなど、どこかしら突出し優れている部分があります。
しかし、それらのようないわばヘビー級の廃墟たちを押しのけ全国的な知名度を獲得した超軽量級の廃墟があったことを皆様はご存じでしょうか。
それが、こちらの写真にあります「廃牛」と呼ばれる廃墟です。
ご覧の通り牛の形をした建物で、現役時はソフトクリーム屋さんとして活躍しておりました。
そのあまりにもキュートな見た目から人気に火が付き、数々の廃墟好きがこの地を訪れましたが、2016年ごろに解体されこの世から姿を消してしまいました。
サイズとしては6畳にも満たないほどの大きさでしたが、その小さな身には沢山のワクワクが詰め込まれていたのです。
繰り返しになりますが、廃牛は超軽量級の「ミニマム廃墟」でありながら、その他の荘厳美麗なヘビー級廃墟と打ち合えるほど有名になった廃墟でした。
廃牛が消えた後、次なる「ミニマム廃墟界」の覇権をとるような廃墟は現れてはいません。それほど、この極小のサイズ感で名を轟かせることは難しいのです。
ミニマム廃墟を知ろう
良しとされるミニマム廃墟において、重要視されるポイントは概ね下記の3点に絞られると考えています。
「インパクト」「レトロ」「かわいい」
ここからはそのポイントごと、合致するミニマム廃墟をご紹介してゆきます。
①インパクト
ミニマム廃墟では、視界に入った際のインパクトがなによりも重要です。
ある程度規模のある廃墟であれば、外観がイマイチでも内部が優れているというケースは多々存在します。しかし吹いて飛ぶようなサイズしか持たないミニマム廃墟にて、内部構造に期待することはあまり現実的ではないでしょう。
よって、その廃墟が目に入った瞬間「なんだこれ!?」と思わせるような何かしらのインパクトがなくてはいけません。
たとえば、こちらの廃墟。「SL直売所」という掲げられた文字にインパクトがあります。
無人の野菜販売所ならよく見かけますが、ここでSLを直売するという行為は地球がひっくり返っても無理なのではないでしょうか。
「おさるのおやど」と書いてあります。こちらもそうそう見かけないワードで目を引きますね。ここにサルを預けるということなのか?そもそもさるって飼えるのか?謎は尽きません。
②レトロ
昔懐かしく柔らかい空気を醸し出す「レトロ」と小さくてころりとした「ミニマム廃墟」の相性は抜群に良いです。
昭和のにおいをぷんぷんさせるドライブインを大幅にスケールダウンさせた物件です。
消えかけの手書き文字が渋みを出します。現役時、小腹がすいたときにこのような場所を偶然見つけたとしたら最高にうれしかったでしょう。
③かわいい
可愛いという感情を抱かせる廃墟は、やはり大きい規模の廃墟よりもミニマム廃墟に多いです。
お犬様を洗う小屋の廃墟。シャワーを浴びる犬の看板も可愛いし、中に残された犬を洗う手順を示した張り紙も当然可愛い。ワンワンシャンプー。
ソフトクリーム屋さんは穢れなき純白のアイコン。ソフトクリームオブジェもレトロ可愛くていい味を出しています。
ミニマム廃墟を探そう
3つのポイントを写真とともに確認していただきました。いかがでしたでしょうか。
ミニマム廃墟において、「インパクト・レトロ・かわいい」これら3点が全て組み合わさってくると、下で示すような廃墟が登場してきます。
そのまんま名付けるとすれば廃柿でしょうか。
見た目のインパクトに関しては文句のつけどころがないでしょう。このフォルム、色、どこをどう見ても激しく目立っております。
航空写真で上部から確認しても紛うことなき柿です。道端に落ちた柿です。
こちらが柿の内部です。(小窓から覗いての撮影)
現役時この柿は軽食や飲み物を提供していたお店でした。奥の壁のほうを見てみると昔懐かしの観光地お土産提灯が大量に飾られています。よくぞここまで集めたな、という感じです。
小さな柿たちもわらわら従えております。どことなく『アタック・オブ・ザ・キラートマト』みたいです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大きなスケールの廃墟は当然最高にいいですが、たまには小さなものに目を向けてみるのも面白いものです。
全国に名を馳せたミニマム廃墟が廃牛で終わらず、次世代のレア物件が見つかってくればもっともっとワクワクしますね。
未だ誰にも見つからず日本に隠れているであろう素敵なミニマム廃墟たち、これからも探してゆきたいと思います。みんなも探していきましょう!
合言葉はそう、「まだまだつよいミニマム廃墟があるぞ!」
(理解できる世代を絞ったネタで終わらせる)
おわり
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?