★隧道天国房総半島★素晴らしきトンネル8選(前篇)
こんにちは、えぬびーです。
今回は千葉県房総半島のトンネルをテーマにひとつ書いてゆきます。
房総半島にはあちこちに素掘りのトンネルが掘られていることで有名で、トンネル好きの聖地ともいわれているほどです。いろんなドライバーライダーチャリダーたちが日々トンネル巡りを楽しんでいらっしゃいます。
ではなぜ房総にはそれほどまでにトンネルが多いのでしょうか。それはこの土地の独特な地形が関与しております。
房総半島は低く入り組んだ地形が大半を占めていて、流れる河川もみなグニャグニャと蛇行しています。
その為、そういった丘陵地帯を越えて移動するには蛇行した川岸をひたすら歩いたり、丘を回り込むなどするしかなく、昔の人々はとても不便を強いられていました。
そういった移動の面倒を避けるため、丘をショートカットするためのトンネルがたくさん作られることとなったのです。
(※上記とは別に、蛇行した河川を人工的に短絡させ、農地に転用する「川回し」と呼ばれる房総特有の工法においてもトンネルが多数掘られることとなり、これもまた房総がトンネルだらけ穴だらけになった大きな要因のひとつです。)
また、房総の地質が非常に柔らかいという点もガシガシトンネルが掘られていった一つの理由になります。地質固かったら掘るのだるいもんね。
斯くして、房総半島は穴だらけになりました。
そしてそのトンネルたちの中には、通常のものとは一風変わったつくりで、独特の魅力を放つものがあります。
今回はそれら美しトンネル・おもしろトンネルを8つ抜粋しましたので、ご紹介してゆきたいと思います。
1.燈籠坂大師切通しトンネル
めちゃ有名なやつです。この場所自体がお寺の境内地になりまして、このトンネルはこの先にある燈籠坂大師堂へと続く参道となっています。
トンネルとしては高さ10mほどでかなり立派な代物です。鋸山の石切技法を用いて切り出されたそうで、確かに石切場でよく見る削られ方の痕跡が石壁に確認できます。よって素掘りのようなごつごつのハンドメイド感はなく、実にスマートでシャープな印象です。荘厳です。でかいはかっこいい。
2.向山トンネル(2階建てトンネル)
めちゃ有名なやつその2。養老渓谷温泉地の中心にあり、ハイキングする人などもこの辺通るので大体いつも誰かしら人がいる気がします。
なぜ2階建てのような形状になってしまったのでしょう。
もともとは上の出口が使われていたのですがその後トンネルの利便性を上げるため掘り直しが行われ、結果下の出口が完成しました。それで上のほうの出口は使用されることはなくなりましたが、埋められるわけでもなくそのまま放置され、このような謎の景観が出来上がったのです。
照明の色の関係上か、ここでフツーに撮影するとめちゃ緑色が強く出ます。(上の写真は色調整している)
肉眼で見るとそうでもないのに、不思議だあ。
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すでにご紹介した上記の2トンネルはトンネル好きじゃなくとも知っているような有名観光地ですが、これ以降のトンネルは認知度は下がり、マニアの中では有名、くらいの場所になってくるかと思います。
3.柿木台第一トンネル(将棋駒トンネル)
このトンネルの特徴は見てお分かりの通り、将棋の駒のような五角形に掘られた形状です。
これは「観音掘り」という古来のトンネル掘削方法で、上部から加わる圧力を左右に分散させることでトンネル崩壊を防いでいるといった目的があるようです。うまいこと考えるなあ。
ここのすぐ近隣にある「永昌寺トンネル」も同じ観音掘りのトンネルなのですが、今回はこちら柿木台第一トンネルをメインにて紹介いたしました。
こちらのほうがライティングの雰囲気がよく、穴の掘られ方も丁寧で、よりシャープでピシッとした五角形を楽しめます。
4.柿木台第二トンネル(ブラックホールトンネル)
上記で紹介しました将棋駒トンネル「柿木台第一トンネル」「永昌寺トンネル」の間にあるトンネルです。
カクカクしたトンネルもよかったですが、こちらのトンネルのウリは何といってもこの滑らかな曲線美です。写真は草木の絡みがある分、やや分かりづらいですが、ずっと見ていると吸い込まれてしまいそうなほどの存在感があります。それゆえ、ブラックホールトンネルと個人的には呼んでおります。
2019年に千葉県を襲った台風の爪痕はまだまだ大きく残っているようで、このトンネルに向かうためのルートは今このような惨状です。
この道を急いで整備する理由はあまりないので(ほかの大きい道が使えるため)かなり後回しにされているのだと思います。もはや直されるのかどうかもよくわかりませんが…。
ということで8つのうち、半分にあたる4つのトンネルをご紹介しました。
また次回、残りのトンネルたちを見ていければと思います。
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