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ラブレター
引越しして1週間。あっという間だ。
実家に戻りたいと両親に話した時、父から15個の条件を出された。
私の中で両親との関係が穏やかにとらえらなかった時は、きっと条件を出されていたら怒っていたであろう。
父とのコミニケーションは、ケンカばかりで、いつも会話するのが疲れてしまうから、辞めていた時期もあるし、学生の頃はできるだけ家にいないようにしていた。
ひとり暮らしを決めた時も、
「二度と帰ってくるな」
とブチ切れられた。
でも、結局何度も帰らせてくれた父。
「何かあったら、使え」と包みをくれた父。
近くに引っ越してきた時は、ご近所情報を何度も教えてくれた父。
一人暮らしをして、物理的距離が取れたことで。少しずつ、嫌な思い出の捉え方が変わった。そして、父への思いも変わっていった。
今回、15個の条件は、私へのラブレターだった。
父が父自身。家族を。そして私を。
とてもかけがえのない存在として感じている。ことを、じわりじわりと感じてしまていて。
昨日、友達のと会話中に
「うちにお父さん可愛い」とか「最近大好きだからな〜お父さんのこと」
なんて、言っていた自分に驚いた。
そんな言葉、35年間自分の言葉として言ったことがない気がする。
時代の中で、自分を押し殺し働くのを求められた時代。
本音を出すことはなく、いつも正論で責め、普通という枠を押し付けてくる子育ては、当たり前だったのかもしれない。
でも、この家で求められた正しさは、社会に出てからものすごく役に立ったことが多い。
父は、私を確かに育ててくれていたのだと。
引越してから、ひしひしと感じるのだ。
あぁ。この家に生まれてよかった。と、こうやって文章にしていても思って、思わず書いてしまう感謝の気持ちである。
昨日お墓参りにパートナを連れて行ったら、
一瞬心地よい風が吹いて、おばぁちゃんも笑っていたし。会ったことのないおじぃちゃんの声がして、「またおいでね」みたいなことをいっていた。
嬉しかったのだ。
家に帰ることが、嫌で嫌でたまらない。そんな時代を経て、今私は、両親との関係をある意味で完結させたような感じである。
父と母とこれから楽しい実家暮らしを満喫しよう!
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