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#30 【ラクスル】安心の高品質印刷通販サイト。売上高は過去5年でCAGR34.7%の急成長。2022年には340億円を突破。

注目企業を取り上げていきます。今回はラクスル です。

会社概要

ラクスルは2009年に東京都新宿区にて設立され、印刷通販の価格比較サイト「印刷比較.com」の運営を開始し、2010年に「ラクスル」に名前変更・サイトリニューアルを行いました。その後、テレビCMの放送や物流のシェアリングプラットフォーム「ハコベル」の開始などを経て、2018年に東京証券取引所マザーズに上場、2019年に東京証券取引所第1部に市場変更を行いました。また、海外進出も積極的に行い、シンガポール、ベトナム、インドに子会社を設立しています。2020年には運用型のテレビCMを可能にするプラットフォーム「ノバセル」を開始、株式会社ペライチや株式会社ダンボールワンに出資して持分法適用関連会社化を行いました。2022年にはノバセル事業をノバセル株式会社、ジョーシス事業をジョーシス株式会社に分社化し、株式会社ダンボールワンを完全子会社化しました。また、ハコベル事業もハコベル株式会社に分社化し、セイノーホールディングスに対して第三者割当増資を実施することで持分法適用関連会社に異動しました。


業績推移

売上高、営業利益

2022年7月通期の売上は340億円で、前期末の303億円から37億円(12% YoY)増加しました。ラクスルは過去5年間のCAGRが34.7%です。営業利益率は1.4%で、5期平均の営業利益率0.7%と比べて高い水準となっています。

コスト構造

売上原価は、2016年7月期には82.2%であったものが、2022年7月期には71.1%となり、低下傾向です。一方、販管費は2017年7月期に22.7%と低かったものの、2022年7月期には27.5%と増加傾向にあります。


財務状況

2022年3月期の自己資本比率は31.9%。有利子負債は110億円。



全体の財務状況を見ていきます。

総資産は2022年7月期において286億円で、その内訳は流動資産が196億円、固定資産が90億円となっています。流動資産の中でも最も多いのは現金で137億円あり、次に売掛金が49億円となっています。有形固定資産は52億円です。

負債の合計は193億円で、流動負債が78億円、固定負債が115億円です。

純資産の合計は93億円で、そのうち資本金が27億円、資本剰余金が55億円、利益剰余金が1.6億円となっています。


キャッシュフロー

最後にキャッシュフローについて見ていきます。2022年7月期のキャッシュフローは以下のとおりです。

営業キャッシュフローは8億円で、増加要因は税引前当期純利益による資金の増加5億円や減価償却費2.3億円などです。一方で、売上債権の増加12億円や仕入債務の増加5.6億円などが減少要因となっています。

投資キャッシュフローは△28億円で、その内訳は、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出17億円などです。

財務キャッシュフローは22億円で、長期借入れによる収入36億円や長期借入金の返済による支出17億円などが含まれます。



今後の展望

ラクスルは近年高い成長率を誇り、2022年7月期には売上高が前期末比12%増加し、営業利益率も5期平均よりも高い水準で推移しています。また、売上原価が低下傾向にある一方で、販管費が増加傾向にあります。財務面では自己資本比率が高く、キャッシュフローも改善しているようです。今後もラクスルは、オンライン印刷市場の成長や自社サービスの拡大などに注力し、更なる成長を目指すことが期待されます。



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