#39 【オークマ 事業推移】 中部地区を代表する工作機械メーカー
今回はオークマについて取り上げます。
会社概要
オークマは、1898年に麺機商会として創業し、その後工作機械や鉄道、船舶関連の機械の製造に進出しました。現在は、一般機械の製造・販売を主な事業とし、NC旋盤やマシニングセンタ、複合加工機などを取り扱っています。
2022年当期の世界経済は、コロナ禍の影響や原油や資源価格の高騰、ロシアのウクライナ侵攻などにより不透明感が増しましたが、工作機械の需要は自動化・省人化、デジタル化や脱炭素の潮流、海外景気の回復、サプライチェーンの再編、製造拠点の再配置などから急速に拡大し、堅調に推移しました。
米国市場は自動車や建設機械、農業機械、産業機械といった分野で堅調に推移し、欧州市場も自動車産業や航空宇宙分野で回復が見られました。アジア市場は中国を中心に自動車産業や建設機械、電子部品などで需要が増加し、インド市場も自動車や建設機械などで回復が見られています。
業績推移
2022年3月通期決算によると、同社の売上は前期末に比べて44%増加し、1,728億円に達しました。ただし、同社の過去5年間のCAGRは1.2%にとどまり、成長率には改善の余地があることを示唆しています。
営業利益率は8.4%となっており、収益性を改善することに成功していたことを示しています。
総じて、2022年3月通期決算は同社の業績が改善していることを示していますが、過去の成長率の低さは改善が求められる点です。
コスト構造
売上原価の割合は、2013年には72.2%でしたが、2016年には69.2%に減少し、その後再び上昇して2021年には72.0%となりました。2022年には69.8%となっており、売上原価の割合はやや減少傾向にあることがわかります。
一方、販管費の割合は2013年には19.7%でしたが、2015年には19.2%に減少し、その後再び上昇して2021年には24.1%に達しました。2022年には21.9%となっており、販管費の割合は減少傾向にあることがわかります。
財務状況
2022年3月期の自己資本比率は74.8%でした。また、有利子負債は50億円となっています。
純資産は、2013年に1,070億円でしたが、2022年には1,937億円にまで増加しています。この増加傾向は、同社が事業拡大や新規事業の開発などに積極的に投資してきたことを示唆しています。
ただし、2020年から2022年にかけて、純資産の増加率はやや鈍化しています。これは、COVID-19の影響など、外部環境の変化が背景にあると考えられます。しかし、同社は引き続き、事業拡大に注力しており、純資産の増加は今後も期待されます。
総じて、同社は長期的な視点で事業を展開し、純資産の増加を実現しています。これにより、同社の企業価値が向上し、今後も安定的な成長が期待されます。
会社の財務状況を見ていきます。
2022年3月期の総資産は2,589億円で、うち流動資産が1,742億円、固定資産847が億円となっています。現金は688億円、売掛金331億円です。
負債は653億円で、うち流動負債が556億円、固定負債が97億円です。
純資産合計は1,936億円で、そのうち資本金が180億円、資本剰余金が417億円、利益剰余金が1,247億円となっています。
キャッシュフロー
最後にキャッシュフローについて見ていきます。2022年3月期のキャッシュフローですが、営業キャッシュフローは162億円、投資キャッシュフローは△87億円、財務キャッシュフローは△30億円でした。